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Research 研究・産学官民連携
芸術工学研究院デザイン人間科学部門
兼 応用生理人類学研究センター(レジリエンスデザイン部門)
教授 綿貫 茂喜
(日本生理人類学会アメニティプランナー(生理人類士1級))
芸工の教員であれば“良いデザインとは何か”を常に考えているはずです。それが他の学問・技術分野と融合すれば技術の革新に繋がり、さらに人間性の薫り高い文化を醸成する手助けとなりましょう。
生体は所謂ストレスに対して、HPA系(視床下部・下垂体・副腎皮質系)とSAM系(視床下部・交感神経・副腎髄質系)を駆動させ、生体を守ります。ストレスが増え続けると、HPA系の水準が高まり、SAM系の反応が緩慢となり、生体は疲弊していきます。私の考える良いデザインとは、HPA系の水準を下げ、SAM系の反応を適切な水準に戻すもの、免疫系の活動を適正化するものを言います。この考えに基づいて、快適な肌着の開発・全身振動時の周波数範囲・杉材の乾燥温度・香り・自動車のドア開閉音などを企業や自治体と共同で研究してきました。



図1:遺伝子型を区別しないと両者には相関はないが(A)、遺伝子型を分けるとLアレル(C)では有意な正の相関となる。

図2:時間毎の酸素摂取量の変化


図3:年平均気温と産熱型タイプの割合の関係 寒い地域ほど産熱型の人の割合が高い

良いデザイン化をさらに一段進めるために、現在は幾つかの遺伝子多型(ミトコンドリアDNA、オキシトシン受容体(共感性)、セロトニントランスポーター(不安や注意、図1、論文1))、UCP1(耐寒性、図2、図3、論文2))と生理反応や性格との関係を調べています。このように日本人と欧米人とはこれらの遺伝要因がかなり異なりますので、海外へのデザイン輸出もこの違いを考慮すれば更に促進されるでしょう。
■参考文献
1) 岸田文, 崔多美, 綿貫茂喜, 若者日本人男性におけるセロトニントランスポーター遺伝子多型と賞賛獲得欲求・拒否回避欲求の関連. 日本生理人類学会誌21巻3号, p.p.115-119, Aug. 2016
2) Takayuki Nishimura, Takafumi Katsumura, Midori Motoi, Hiroki Oota, Shigeki Watanuki, Experimental evidence reveals the UCP1 genotype changes the oxygen consumption attributed to non-shivering thermogenesis in humans. Scientific Reports, 2017; 7: 5570, Jul. 2017
■関連サイト
綿貫研究室
応用生理人類学研究センター
■お問い合わせ先
大学院芸術工学研究院 デザイン人間科学部門 教授 綿貫 茂喜