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Research 研究・産学官民連携
芸術工学研究院 環境デザイン部門
教授 近藤 加代子
一方には、地域の自然と社会との持続的な循環の中で形成されてきた暮らし方があり、他方には、過度に電力に依存した現代の生活があります。現代的生活の恩恵を受けつつも、循環型の生活に学ぶことは多く、そうした知恵を取り入れていくことが必要とされています。しかし、それは、生活の幸福を増大させ、地域社会が活性されていくあり方でなければなりません。そこに至るにはどういったアプローチが存在するのか、市民や企業の行動の観点から追究し、調査研究を行っています。また、そこで得られた結果は、市民や企業の行動促進を可能にする、社会の仕組みや政策の提案へと転化可能な実効性ある研究となることが期待されます。こうした問題意識を念頭に、最近は、①地域の廃棄物を含む自然資源を積極的に利活用することで、地域社会を活性化させ、住民の幸福感を増大していく仕組みづくり、および、②地域の自然条件に見合った、エネルギー消費を抑えた伝統的な暮らし方の知恵を現代に活かす手法についての研究を進めています。以下に、詳細をご紹介します。
生ごみや家畜のふん尿などの有機性廃棄物、間伐材などの未利用資源など、地域の自然資源をいかすことができる地域の仕組みは、地域の住民や企業、行政の協働の中で、経済的にも環境的にもよい波及効果を生み出すことが可能です。福岡県大木町、岡山県真庭市など、地域資源を地域力で活かした先進事例から、多くの地域で導入できる構造・条件等の手法を明らかにしようとしてきました。この研究では特に、地域の社会経済あるいは地理的条件を考慮することが重要となり、また、そうした活動を通じて、地域の誇りや幸福感など、社会的活性が生じやすくなることが分かってきています。その一環として、地域目標に合わせた地域づくりをサポートできる地域指標の開発を行っています(図1)。特色豊かな地域を、持続可能な方法で、かつ住民の幸福度を高める評価軸となるよう、試行錯誤を重ねています。

図1 I市の環境・社会・経済の3側面から見た地域評価
伝統社会は、経済制約と技術制約があったために、自然条件に適応して快適に暮らす文化を持っていました。豊かさが増し、そうした制約が取り除かれてきたことで、豊かな知恵が廃れています。日本、中国、タイ、ベトナム等における社会調査により、類似の現代住宅やライフスタイルが寒冷地・温暖地に関わらず適用されてきていることが明らかとなってきています(図2)。こうしたライフスタイルでは、エネルギーの過度な消費が確認されています。近代化の中で住宅と暮らし方がどう変わり、エネルギー消費がどのように変わってきたかを特定することがますます重要になってきています。特にアジアの農村や郊外には、伝統的で風土適応的な暮らし方が広範に残っており、それらの良さが近代化の中で失われず、豊かな生活が維持される近代化のあり方を模索しています。

図2 ベトナム・ダナンにおけるヒアリングの様子

図3 大連理工大学との合同調査(中国東北部農村)

図4 タイ・バンコクでのヒアリングの様子
■お問い合わせ先
芸術工学研究院 環境デザイン部門 教授 近藤 加代子