Research Results 研究成果
ポイント
概要
岸大悟氏(宮崎大学大学院農学研究科修士課程2年)、深見裕伸教授(宮崎大学農学部海洋生物環境学科)、野村恵一氏(錆浦海中公園研究所)、野澤洋耕教授(琉球大学熱帯生物圏研究センター)、新垣誠司准教授(九州大学理学部附属天草臨海実験所)の研究グループは、宮崎県日南市大島を中心に、九州各地、和歌山県および台湾北部に生息する造礁性イシサンゴのミダレカメノコキクメイシとその形態変異について、分子系統学的および形態分類学的な調査を行った。その結果、これまでミダレカメノコキクメイシの形態多型の一つと考えられていたものが新種であることが判明した。
この新種は、ミダレカメノコキクメイシと極めて類似しているが個体間の溝の有無や個体の大きさなどで区別できる。日本では宮崎県日南市大島の他、延岡市島浦島、熊本県天草市牛深、長崎県長崎市高島、和歌山県白浜・串本、さらに台湾北部でも生息していることが確認できた。
本研究成果は、2024年6月25日に国際学術雑誌「Zookeys」のオンライン版で公開中。
論文情報
Kishi D, Nomura K, Nozawa Y, Arakaki S, Fukami H (2024) Paragoniastrea variabilis Kishi, Nomura & Fukami, sp. nov. (Cnidaria, Anthozoa, Scleractinia), a new coral species previously considered as a variant of Paragoniastrea deformis, from Japan and northern Taiwan. ZooKeys 1205: 205-222. https://doi.org/10.3897/zookeys.1205.121507
ヘンゲカメノコキクメイシ Paragoniastrea variabilis。宮崎県日南市大島周辺で撮影。この写真のサンゴの標本が今回の新種記載の基となる。水深 8.9 m
ヘンゲカメノコキクメイシ Paragoniastrea variabilis (黒枠)の多様な色彩とミダレカメノコキクメイシ Paragoniastrea deformis(黄枠)。
お問い合わせ先