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Research Results 研究成果
九州大学大学院 工学研究院地球資源システム工学部門/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の辻健 教授、東京海洋大学の鶴哲郎 教授、木村学 特任教授、デルフト工科大学の湊翔平 研究員、西オーストラリア大学の亀井理映 助教らの研究グループは、2016年4月1日に三重県沖の南海トラフで発生した地震(マグニチュード6)が、1944年の巨大地震「東南海地震」(マグニチュード8.1)の断層面の内側で発生したにもかかわらず、巨大な地震にはならなかった原因を地震断層の形状などから明らかにしました。
研究グループは、地震探査と呼ばれる手法を用いて、2016年三重県沖地震で動いた地震断層の3次元形状や周辺の岩石を、初めて詳細に明らかにしました。その結果、2016年の地震の断層は、柔らかい堆積岩から硬い玄武岩(海洋性地殻)に移る場所に位置すること、また三重県沿岸に発達する古い地質帯の海側に沿って地震が発生したことが分かりました(図参照)。つまり2016年の地震で動いた領域(上図の赤丸部分)は、断層の特徴(形状・岩石)が大きく変わる場所であることが明らかになりました。
本研究の結果から、2016年の地震の震源(断層上の破壊が始まる場所)は堆積物中の断層で、断層の固着が弱い(柔らかい)場所であることが分かりました(下図参照)。一方、1944年の東南海地震の震源は、固着の進んでいる場所です。つまり2016年の地震は、柔らかい断層で発生し、その破壊が固着の進んだ場所(陸側)へ伝播しなかったことが、地震が大きくならなかった原因であることが分かってきました。この成果から、地震の発生する場所によって、地震の大きさを決定できる可能性が示されました。
さらに今回の結果から、津波を発生させる断層の広域的な形状を、3次元的に取り出すことにも成功しました。この断層形状は、マグニチュード8クラスの地震時に発生する津波の大きさにも関係するため、正確な津波予測に貢献すると考えられます。
本研究成果は2017年9月28日(木)に国際科学誌『Earth and Planetary Science Letters』に掲載されました。
(参考図)2016年の地震で動いた断層と、1944年東南海地震で動いた断層。断層の大きさ、震源の位置が大きく異なる。上図にある緑線は、下図の解釈図の位置。
2016年4月に発生した地震は、東南海地震(巨大地震)の震源断層の中で起こりましたが、それほど大きな地震になりませんでした。この2016年の地震を研究すれば、地震の大きさをコントロールする要因が明らかになるのでは?と考え、この研究を始めました。