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東南アジア初の固体酸化物形燃料電池(SOFC)の実証研究を開始 ~ベトナム・メコンデルタにおいてバイオガスの供給により発電効率53%を達成~

2018.02.23
研究成果TechnologyEnvironment & Sustainability

 九州大学水素エネルギー国際研究センターを代表機関とするベトナム国家大学ホーチミン市校(VNUHCM)ナノテク研究所(INT)との国際共同研究チーム(プロジェクトリーダー:本学大学院工学研究院/水素エネルギー国際研究センター 白鳥 祐介准教授)は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が協同で実施する「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の支援により、日本企業4社と連携し、ベトナム・メコンデルタのエビ養殖場内に、地域の有機性廃棄物を資源として利用したエネルギー循環システムの実証プラント(図1)を構築しました。
 当プロジェクトは密接な農工連携により行われており、農学グループの本学農学研究院 山川 武夫准教授は、明和工業株式会社(金沢市)と連携し、現地で容易に入手できる有機性廃棄物(サトウキビの搾りかす(バガス)とココナッツの搾りかす)を分解する菌の供給源として養殖池汚泥を見出し、加温・保温を必要とせず、これらを投入するだけで発電用燃料として利用できるバイオガス(メタンと二酸化炭素の混合ガス)が得られるシステムの運転に成功しました。工学グループの白鳥准教授は、マグネクス株式会社(東京都立川市)と共同開発した1 kW級SOFCシステムを実証サイトに導入し(図2)、上記バイオガスを供給した東南アジア地域初となるSOFC発電実証を2018年1月より開始し、発電効率53%を記録しました。この発電効率は、エンジン発電機の倍に達するもので、燃料電池の用途拡大と地球規模の普及が期待されます。
 上記SOFCにより得られた有機性廃棄物由来の電力は、株式会社中山鉄工所(佐賀県武雄市)が構築した電力供給システムにより、ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社(姫路市)が導入する高効率曝気装置(超微細気泡散気装置)に安定的に供給され、現地エビ養殖の大幅な省エネ化を目指します。我々は、国際・農工・産学連携の下、メコンデルタ地域の持続的発展に貢献できる技術開発を行います。

図1:メコンデルタ(ベトナム・ベンチェ)のエビ養殖場内に構築したエネルギー循環システム実証プラント

図2:研究開発チーム(2018年1月、SOFCシステム実証機を前に)

研究者からひとこと

 様々なバックグラウンドを持った研究者が集い、学際的な研究を実践しています。地球規模の課題の解決のためには、革新的な技術を社会に受け入れられるものにしなければなりません。私達は、新しい技術を途上国にも広めるためにはどうしたら良いか?アイディアを出し合いながらプロジェクトを進めています。当活動の促進を目的として、VNUHCM内に燃料電池研究開発棟を整備(2016年9月開所)し、国際共同研究を通して相手国側および日本側の人材育成を行っています。

研究に関するお問い合わせ先

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