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Research Results 研究成果
国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 松永 是)海洋機能利用部門海底資源センターの野崎達生グループリーダー代理らは、国立大学法人東京大学、国立大学法人神戸大学、学校法人千葉工業大学、国立大学法人九州大学、国立大学法人東京工業大学、学校法人早稲田大学と共同し、2014年10月に海洋地球研究船「みらい」を用いて南鳥島周辺で採取されたピストンコア試料を詳細に記載および分析した結果、中新世の深海堆積物に天体衝突イベント由来のエジェクタ層が含まれていることを明らかにしました。
このエジェクタ層は、オスミウム同位体比(¹⁸⁷Os/¹⁸⁸Os)が約0.2まで低下する明瞭な負異常を示します。また、オスミウム濃度やイリジウム濃度はそれぞれ最高で約2.2 ppbおよび約3.2 ppbに達し、上部大陸地殻の平均値の数十倍を示すことから白金族元素濃度の異常濃集を伴います。さらに、本堆積物には天体衝突によって生成された球状粒子(スフェルール)が多数含まれており、スフェルールはカンラン石の仮像と推定される粘土鉱物および最大でNiO濃度が23.3%に達するスピネル粒子から構成されています。これらはいずれも地球上への天体衝突イベントと、それに伴う隕石および被衝突物の溶融と冷却によって生成される物質に特有の記載学的・地球化学的特徴です。
今回発見されたエジェクタ層は、オスミウム同位体(¹⁸⁷Os/¹⁸⁸Os)層序からその堆積年代が約1,100万年前と推定されます。年代決定手法が持つ誤差を考えても、陸上に大きなクレーターが存在しない年代であることから、これまでに見つかっていない地球上への新たな天体衝突イベントの証拠と考えられます。また、陸上に同年代の証拠がないことから、約251万年前に南太平洋に衝突したEltanin天体衝突イベントに次ぐ、世界で2例目の海洋天体衝突イベントの可能性が高いと考えられます。さらに、約1,160万年前に起こったとされる最も年代の新しい生物大量絶滅イベントは長年その原因が謎とされてきましたが、本発見はその解明への糸口となる可能性があります。今後、他の海域の深海堆積物についても調査を行い、新たに発見された中新世天体衝突イベントの詳細を解明していく予定です。
本成果は、英国のNature Publishing Group(NPG)が発行する学術雑誌「Scientific Reports」に11月20日付け(日本時間)で掲載されました。