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研究成果

公開日:2019.12.20

非天然アミノ酸類の原料となる無保護ケチミンの効率的な触媒的合成法を開発!
~様々な医薬品や生物活性物質の、より効率的な合成法開発に期待~

研究成果 医歯薬学

 アミノ酸に代表される含窒素有機化合物は、様々な医薬品や生物活性物質に見られる重要な構造であり、その効率的な合成法の確立は医薬化学における重要な課題の一つです。この課題に対し、九州大学大学院薬学研究院の大嶋孝志教授、森本浩之講師らの研究グループでは、近年、無保護ケチミンを用いた非天然アミノ酸類の新しい合成法を開発しています。これは従来必要であった保護基を使用しないことから、より廃棄物の少ない環境調和性に優れた合成手法になりえます。しかし、原料となる無保護ケチミンの合成の際、従来の方法では生成した副生成物の除去が必要であることから、原料合成も含めた反応全体での環境調和性の向上が望まれていました。
 今回、大嶋教授、森本講師および九州大学大学院薬学府博士課程1年の近藤優太大学院生らの研究グループは、市販の金属触媒と窒素源試薬を組み合わせることで、カルボニル化合物から無保護ケチミンを高収率で直接合成可能な新規手法の開発に成功しました。本手法は従来法よりも少ない廃棄物量で簡便に無保護ケチミンが大量合成可能であり、既存の手法では合成困難な無保護ケチミンの合成も初めて実現しました。また、本手法の共生成物が低反応性である特徴を生かし、合成した無保護ケチミンを単離せずに次の反応に用いる「ワンポット反応」に応用することで、非天然アミノ酸類の合成原料など様々な有用化合物のより効率的な合成を達成しました。
 本研究成果は、アメリカ化学会が出版する国際科学誌「Organic Letters」オンライン版に2019年12月19日(木)(日本時間)に掲載されました。また、本研究は日本学術振興会科学研究費(JP15H05846、JP17H03972、JP18K06581)の支援を受けて実施されました。

(参考図)今回開発した、無保護ケチミンの触媒的直接合成法とそのワンポット反応への応用。本手法を用いることで、市販の触媒と窒素源試薬から、より少ない廃棄物量で簡便に様々な無保護ケチミンが合成できる。また、共生生物が低反応性のため、従来法では困難だった様々なワンポット反応にも適用可能であり、より効率的な有用化合物の合成が達成できる。

研究者からひとこと

本研究により、様々な無保護ケチミンを効率的に供給可能となりました。今回開発した手法が今後幅広い反応に適用されることで、より環境調和性に優れた非天然アミノ酸類の合成法の開発がさらに発展することを期待します。

論文情報

Scandium(III) Triflate Catalyzed Direct Synthesis of N-Unprotected Ketimines ,Organic Letters,
10.1021/acs.orglett9b04038

研究に関するお問い合わせ先

大嶋 孝志 薬学研究院 教授
森本 浩之 薬学研究院 講師
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