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沖縄の海底洞窟からマッドドラゴン(動吻動物)の新種3種発見

 
海底洞窟に隠れた生物多様性解明に期待

公開日:2020.06.15

 

研究成果 Life & Health

 海や川などの水域の砂や泥には様々な底生動物が生息しています。そのような動物のひとつである動吻(どうふん)動物は、体長1㎜に満たない小さな海産無脊椎動物で、からだを覆う硬い外骨格や多くの棘を持つことから、英語でmud dragon(マッドドラゴン)=泥の竜と呼ばれています。これまで世界からおよそ300種、日本からは21種の動吻動物が報告されていますが、まだまだその生物多様性の全貌は明らかになっていません。
 九州大学基幹教育院の山崎博史助教(責任著者)、東北大学の藤本心太助教、葛西臨海水族園の田中隼人博士らの研究グループは、2015年4月に沖縄県伊江島にある海底洞窟で小型底生動物調査を行いました。これまで沖縄の海底洞窟からは、甲殻類やクモヒトデなどの数々の新種や希少種が報告されている一方、小型底生動物の報告は多くありません。洞窟内で採集した動物について詳細に研究した結果、動吻動物の新種3種が含まれていることが明らかになり、それぞれEchinoderes gama、Echinoderes kajiharai、Echinoderes uozumiiと命名しました(図)。
 これは海底洞窟に暮らす動吻動物の記録として、沖縄からは2例目、世界では9例目の報告となります。しかし琉球列島には他にも多くの海底洞窟があり、まだまだ十分な調査がなされているとは言えません。今後の調査を通じて、さらに多くの動物種が見つかり、洞窟性動物群集の多様性理解へとつながることが期待されます。本研究は藤原ナチュラルヒストリー振興財団、日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B)(15K18598)ならびに特別研究員奨励費(25987)の支援を受けました。この成果は,2020年6月15日(月)(日本時間)に国際学術誌「Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom」に掲載されました。

図:新種として発表した3種の動吻動物。
(A)Echinoderes gamaの走査電子顕微鏡写真
(B)Echinoderes kajiharaiの走査電子顕微鏡写真
(C)Echinoderes uozumii
の光学顕微鏡写真。体長はそれぞれ0.2-0.3㎜程度。
  • 本研究についての詳細は こちら

論文情報

Three new meiobenthic species from a submarine cave in Japan: Echinoderes gama, E. kajiharai and E. uozumii (Kinorhyncha: Cyclorhagida) , Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom, 10.1017/S0025315420000429

 

研究に関するお問い合わせ先

山崎 博史 基幹教育院 助教