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腎実質温存に貢献する自動追尾型ナビゲーションシステムを開発

 
ロボット手術において安全性を高める新たな医療技術へ

公開日:2020.07.22

 

研究成果 医歯薬学

 九州大学病院泌尿器科の 小林 聡 臨床助教は、九州大学病院先端医工学診療部と共同でロボット支援腎部分切除術に導入することで腎実質温存に貢献する自動追尾型ナビゲーションシステムを開発しました。
 自動追尾型ナビゲーションシステムは、先端医工学診療部と泌尿器科が共同開発して2016年にロボット支援腎部分切除術に導入されました。ロボット手術かつ泌尿器科領域において本システムが導入され、臨床上の有効性が報告された事例は世界で初めてです。
 自動追尾型ナビゲーションシステムは、光学式センサーを使用して手術支援ロボットの内視鏡の動きに沿って3D画像が動くように設計され、術者はこのナビゲーション画像を手術支援ロボットのコンソール内でつねに確認することができるようにシステムが構築されています。本システムは、視線を術野から逸らすことなく3D画像が持つ解剖情報をリアルタイムに確認することができるという点が特徴です。その結果、術者は脂肪組織や他の臓器に覆われて表面上は見えにくい腎血管や腎腫瘍についての位置や構造を、3D画像を介して理解することができるようになり、腫瘍の立体構造を理解しながら腎部分切除を行うことが可能となりました。
 自動追尾型ナビゲーションシステムを併用したロボット支援腎部分切除術では、併用しない手術と比較してより多くの腎実質を温存することが可能となりました。腎実質の温存は、術後腎機能に最も影響をもたらす因子の一つであり、ナビゲーションシステムにより術後腎機能温存に貢献できる可能性を示すとともに、ナビゲーションシステムが患者へのロボット手術において安全性を高める新たな医療技術になる可能性も示しました。
 本成果は、米国の泌尿器科学雑誌『The Journal of Urology』の2020年7月号に掲載され、論文内のナビゲーションシステムに関するイラストが表紙を飾りました。

(参考図) 腎癌3D画像、腎癌3Dモデルを使用したda Vinci Standard modelの模型実験について示した図が泌尿器科学雑誌『The Journal of Urology』の表紙に掲載された。

研究者からひとこと

この度は米国で最も権威ある泌尿器科学会誌の1つに研究成果が表紙に掲載されたことを嬉しく思います。ロボット手術におけるナビゲーション開発は依然研究段階でありますので、研究を通じてより良い医療の確立に向けて貢献できればと思います。

論文情報

Surgical Navigation Improves Renal Parenchyma Volume Preservation in Robot-Assisted Partial Nephrectomy: A Propensity Score Matched Comparative Analysis, The Journal of Urology,

研究に関するお問い合わせ先

小林 聡 九州大学病院泌尿器科 臨床助教
電話:092-642-5603  
FAX:092-642-5199 
Mail: kobayasi★uro.med.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

 

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