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シロアリに運ばれて移動する新種のコガネムシをミャンマーより発見

公開日:2020.07.29

 

研究成果 理学

 シロアリの巣内には、シロアリ以外にもシロアリと共生する昆虫が生息しています。シロアリの巣は特殊な環境であることから、これまで十分に調査が進んでいませんでした。
 今回、国立科学博物館とミャンマー森林研究所との共同研究プロジェクトによって、ミャンマーから初めてメクラシロアリコガネ属のコガネムシが発見され、九州大学総合研究博物館の柿添翔太郎専門研究員、梁維仁訪問研究員、丸山宗利准教授とミャンマー森林研究所のKhin Mar Myint博士により、新種として発表されました。この新種は、小さな羽毛状の毛束を持つことからギリシャ神話の登場人物「イカロス」にちなんで、イカロスメクラシロアリコガネTermitotrox icarusと名付けられました。
 この新種は後翅が退化しているため飛ぶことができませんが、自力で歩行する以外にも、シロアリによって運んでもらうことで巣内を移動する「運搬共生」を行うことが明らかとなりました。シロアリは卵や幼虫を運ぶ習性があり、この運搬行動は、コガネムシがシロアリの卵や幼虫であるかのようにシロアリを騙すことで生じていると考えられています。このような行動は報告例が少なく、メクラシロアリコガネ属では初の発見となります。
 本研究は、日本学術振興会 科学研究費補助金(19H03285 および17J07016)の助成を受けて行われ、2020年(令和2年)7月28日(火)(現地時間12:00)付けでチェコの国際学術誌Acta Entomologica Musei Nationalis Prague誌に掲載されました。

(参考図)
シロアリによって運ばれる新種のイカロスメクラシロアリコガネ(写真:柿添翔太郎)

研究者からひとこと

シロアリによって運ばれる新種の姿を見たときには、驚きのあまり2ミリほどしかないこの虫が、はるかに巨大に見えました。シロアリの巣内には、私達がまだ知らない世界が広がっています。これからも地道な調査を重ね、昆虫の面白さを明らかにしていきたいと思っています。

研究に関するお問い合わせ先

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