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プロトン伝導度を決定する新規パラメータを発見、伝導度予測に成功!

 
~計算化学によるプロトン伝導性材料開発の加速化に期待~

公開日:2020.08.20

 

研究成果 工学

 九州大学エネルギー研究教育機構(Q-PIT)および稲盛フロンティア研究センターの山崎仁丈教授は、一般財団法人ファインセラミックスセンターの桑原彰秀主任研究員、Craig Fisher主任研究員、九州大学稲盛フロンティア研究センターの兵頭潤次特任助教、宮崎大学工学教育研究部の奥山勇治准教授、カリフォルニア工科大学およびノースウェスタン大学のSossina Haile教授らと共同で、300~600℃の中温度域で動作する固体酸化物型燃料電池(SOFC)注1)のプロトン(H+)伝導性電解質注2)における伝導度を決定する新規パラメータを見出し、アクセプター注3)置換ジルコン酸バリウムにおけるプロトン伝導度の予測に成功しました。これは、計算と実験の融合研究による成果です。様々な金属酸化物に対して網羅的に本パラメータを計算することで、コンピュータを活用したプロトン伝導性材料開発の加速化が期待されます。
 金属酸化物にプロトン伝導性を発現させるためには、構成元素の一部をアクセプター元素で置換する必要がありますが、どのような元素を選択すればプロトン伝導度を最大化できるかわかっていませんでした。
 本研究グループは、ジルコン酸バリウム(BaZrO3)を対象とし、置換元素と酸素原子および水素原子との親和性がどのように変化するか、第一原理計算注4)を用いて詳細に調べました。その結果、添加元素と酸素との親和性が高いほどプロトン伝導度が高くなると予測され、6種の置換元素においてプロトン伝導度を測定した結果、その予測が正しいことを実証しました(図)。
 本研究は、科学研究費補助金(JP15H02287、 JP16H00891、JP18H01694、JP25106008、JP16K06739、JP16H06440)、JST戦略的創造研究推進事業CREST(JPMJCR18J3)、池谷科学技術振興財団、九州大学Progress100の支援を受けました。
 本研究成果は、日本時間2020年7月31日(金)に米国化学会の国際学術誌「Chemistry of Materials」のオンライン速報版で公開されました。

(図)添加元素に隣接する酸素空孔と酸素原子の親和エネルギーが負に大きくなるほど中温度域におけるプロトン伝導が高くなることが第一原理計算で予測され、それを実証しました。

研究に関するお問い合わせ先

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