Research Results 研究成果
技術開発競争が激化している非鉛強誘電体材料ですが、更なる高性能化に向けて新材料が盛んに研究されています。JFCCナノ構造研究所 森分博紀 グループ長、産業技術総合研究所 伊藤満 招聘研究員(東京工業大学 名誉教授)、高島浩 上級主任研究員、九州大学 佐藤幸生 准教授、物質・材料研究機構 清水荘雄 独立研究者、防衛大学校 濱崎容丞 助教らの研究グループは、第一原理計算及びマテリアルズ・インフォマティクスと呼ばれる理論計算を用いて網羅的な材料探索を実施し、全く新しい実用強誘電体材料として、ウルツ鉱型結晶構造を有するAgIやCuClなどが有望であることを見出しました。
これまで強誘電体材料としてはぺロブスカイト型結晶構造など酸素八面体からなる物質群が主に研究対象とされてきましたが、この成功を契機として、酸素八面体を有しない単純なウルツ鉱型結晶構造での現実的な強誘電体の研究が促進され、高性能非鉛圧電材料開発のブレイクスルーになることが期待されています。
本研究の成果は、アメリカ学術誌アプライドフィジクスレターズマテリアルズ(Applied Physics Letters Materials)電子版12月7日に掲載されました。
ウルツ鉱型ZnOの原子構造とその分極反転機構
金属イオンが4つの酸素に囲まれた4面体構造を形成している。外部電界によりそれぞれのイオンが相対変位して分極が反転する。
マテリアルズ・インフォマティクスによるウルツ鉱型結晶構造強誘電体材料探索の結果
図中、四角にて囲まれている材料は、ウルツ鉱型結晶構造が報告されている材料。AgIやCuClでは非常に低い抗電界を有する強誘電体が実現できる。