Research Results 研究成果
日本を含めモンスーンアジアで陸水環境の生態研究を行っている持続可能な社会のための決断科学センター所属の鹿野雄一准教授は、ツチガエル(通称:イボガエル)が、陸上だけでなく水中でも鳴くことを初めて発見しました。山形県の最上川水系の支流で魚類の水中調査を行っていた鹿野准教授は、ツチガエルが水中で鳴いていることに気が付き、その様子を動画に納めることに成功しました。
今回の研究で、水中で鳴く行動は陸上のそれとは違い、鳴き袋を膨らませずに腹部の収縮だけで発声していることが分かりました。また、鳴き声を解析したところ、陸上の鳴き声より「グゥグゥ・・・」という発声の間隔が短く、音程も相対的に低音になっていました。
しかし、なぜツチガエルが水中でも鳴くのかは不明です。水中で鳴くことにより鳥類など陸上の敵から捕食回避すること、あるいは、水中で鳴くオスはよりメスに好まれることなど、様々な理由が考えられます。また、ヌマガエルやトノサマガエルなど通常陸上で鳴くと考えられている他のカエル類も水中で鳴くかどうかについても不明であり、今後、検証する必要があります。
本研究成果は、11月12日(金)付けで国内誌『湿地研究』において、早期オンライン公開されました。
上)水中で、鳴き袋を膨らませず腹部の収縮だけで鳴くツチガエル:
https://youtu.be/bJHjFg_vDF8
下)比較として、陸上で鳴き袋を膨らませて鳴く様子:
https://youtu.be/py2XRbmsEDU