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九州大学と大日本インキ化学との包括的連携研究契約の締結について

2003.03.31
トピックス
 九州大学(福岡市東区、総長:梶山千里、以下九大)と大日本インキ化学工業株式会社(東京都中央区、社長:奥村晃三、以下DIC)は、このほど包括的連携研究契約を締結しました。

 この契約は、DICの様々な研究開発ニーズに対して、九大の工学研究院、総合理工学研究院、農学研究院、機能物質科学研究所の教官や産総研九州センターの併任教官などが参画し、各種の要素研究の融合を図りながら独創的なコンセプトを創出し、両者が共同して国際競争力に優れた最先端の実用化技術を開発することを目的としたものです。

 本包括的連携研究の運営は、九大の総長特別補佐(産学連携担当)およびDICのR&D担当役員、九大・DICの研究代表者・産学連携担当者などからなる「連携協議会」が担当します。また各研究プロジェクトの具体的研究計画などは、目標とする成果やスケジュールなどを示した「研究計画案」を両者の研究担当者が共同で策定し、それを連携協議会で議論し、新たなコンセプトの導入など必要な修正を加え、決定します。この連携協議会を通じて、九大とDICは研究に対する認識の相違を克服し、九大は個別研究室による縦割り的研究のやり方から脱却するとともに、各研究室の有する要素研究を融合し、両者が相互に納得する革新的技術の創出促進を目指しています。研究の進捗状況は定例的に連携協議会に報告され、研究開発方針の軌道修正やプロジェクトの差し替えなどを迅速に行います。

 一方、設定された研究プロジェクト以外にも、九大教官とDICの幅広い部門の技術者とが本音による技術交流を活発に行い、新規研究プロジェクトの企画や互いの研究者の活性化・レベルアップを図ります。DICではR&D本部の研究員に加えて事業部の技術者も参画し、主として実用化を重点にした研究に取り組み、研究者の九大派遣も積極的に行うことにしています。さらに本包括的連携研究では、DICからの提供資金に加えて公的資金の導入を図るなどして研究開発力の一層の強化を図る方針です。

 両者は、本包括的連携研究契約の最初の研究テーマとして「光機能性有機材料の開発」を取り上げ、その開発に向けて

  (1)安価で省エネ型の新規表示デバイスの開発
  (2)ナノ微粒子有機材料の製造技術の開発
  (3)新規光機能性材料の利用研究
  (4)バイオプロセスによる機能性高分子材料の開発
  (5)機能性ポリマーの重合用触媒の開発

 の5つのプロジェクトをスタートします。
 両者は今後、さらなる新技術・新製品の開発に向けて、新たな研究テーマを積極的に取り上げていく方針です。

以上

本件に関する問い合わせ先

九州大学 企画広報室 臼杵 :092-642-2106

大日本インキ化学工業株式会社 広報部 森江 :03-5203-7763