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シンポジウム「情報ガバナンスと文理融合教育の課題」を開催

2020.05.07
トピックス

 令和2年1月24日(金)、本学附属中央図書館で、九州大学アジア・オセアニア研究教育機構・文化変動クラスターと統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻が主催したシンポジウム「情報ガバナンスと文理融合教育の課題」が開催されました。
 セッションⅠでは、国連社会開発研究所の李一清(Yi Ilcheong)氏より基調講演が行われました。李氏は情報通信技術の驚異的な発達に対しての国連の戦略を提示し、その上で現状の課題について問題提起を行い、国連を中心とした情報のグローバル・ガバナンスについて現状分析と将来展望が示されました。
 セッションⅡでは情報ガバナンスの具体的課題として、個別事例の検証を行いました。まず西田亮介准教授(東京工業大学)は、Twitterにおける政治広報を例として、政治・メディア環境の変化について研究報告を行いました。続いて、小島立准教授(九州大学)からは「ダウンロード違法化」についての審議会の議論、著作権法改正案提出見送りを事例として、多様なアクターの利害を適切に包摂する情報ガバナンスの課題が述べられました。とくにルール形成・政策形成のなかでそれらの課題解決をどのように図っていくのかという点について、具体的な事例をもとに鋭い分析が示されました。
 セッションⅢでは、情報ガバナンスの人財育成、文理融合教育の課題についてパネル・ディスカッションを行いました。パネル・ディスカッションは7人のパネリストから構成され、前半4名は研究者の観点から(成原、中野、今井、中藤)、後半の3名は実務家の観点から(加藤、広瀬、森)、それぞれ情報ガバナンスやその人財育成についてコメントしました。
 本シンポジウムは、それぞれ国際的な課題、日本を事例とした国内の課題、さらに研究者と実務家からの問題解決のための協働の課題が提起され、情報ガバナンスの課題を多方面の知見を活かして議論する貴重な機会となりました。

 

参考:アジア・オセアニア研究教育機構
   http://q-aos.kyushu-u.ac.jp/topics/文化変動クラスター主催シンポジウム「情報ガバ/

国連社会開発研究所の李一清氏による基調講演

セッションⅠでの研究報告

パネル・ディスカッションの様子

モデレーター:大賀哲(九州大学大学院法学研究院、アジア・オセアニア研究教育機構・文化変動クラスター)
パネリスト:今井宏昌(九州大学大学院人文科学研究院、アジア・オセアニア研究教育機構・文化変動クラスター)
パネリスト:成原慧(九州大学大学院法学研究院、アジア・オセアニア研究教育機構・文化変動クラスター)
パネリスト:加藤彰(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)
パネリスト:中藤哲也(中村学園大学栄養科学学部)
パネリスト:中野涼子(金沢大学人間社会研究域法学系)
パネリスト:森壮一(元文部科学省科学技術政策研究所)
パネリスト:広瀬一朗(内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室)

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九州大学大学院統合新領域学府イースト事務室
Mail:kottougou2★jimu.kyushu-u.ac.jp
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