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アジアと繋がるウェビナーを世界へ発信 Kyushu University Asia Week 2020開催

2020.10.06
トピックス

 2020年9月1日から12日の約2週間にかけて、本学主催により「Kyushu University Asia Week 2020」を開催しました。この取組は本学として初めての試みであり、「UNIVERSITIES TO GROW SOCIETAL IMPACT」をテーマにアジアに関連した様々なイベントをウェビナー形式で開催しました。
 期間中には、オンライン参加者や講演者等国内外から延べ2,570名の参加を得て、With Corona & Post Coronaにおける国際連携体制の構築や戦略的な国際展開、さらには持続可能な開発目標(SDGs)を含めた地球規模課題に関して海外大学等と課題を共有し、解決策を議論・発信する重要な機会となりました。
 初日のオープニングセレモニーでは、ユネスコアジア太平洋地域教育局(ユネスコバンコク事務所)の青柳茂所長による基調講演の後、「コロナ禍の今、SDGsへの取組における高等教育機関の社会的責任とインパクト」をテーマにパネルディスカッションが行われ、青柳所長、ガジャマダ大学Ika Dewi Ana副学長、同大Irfan Dwidya Prijambada教授、本学から馬奈木俊介主幹教授(工学研究院)及び井上滋樹教授(芸術工学研究院)が登壇し、SDGs達成に向けた取組について、活発な議論を交わしました。
 2日と3日には、九州大学アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AOS)シンポジウム2020「感染症と生きる:コロナから学ぶ持続可能な社会とは」が開催されました。  

 シンポジウムの詳細は以下URLを参照ください。
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/topics/view/1608 

 9日には、アジアトップレベルの大学であり、本学の大学間交流協定校であるソウル国立大学との初めてのジョイントシンポジウムを開催しました。「強く、しなやかな成長 -未曽有の地球規模危機に大学はどう貢献できるか-」をテーマに、両総長による挨拶に続き、二宮利治教授(医学研究院)及びソウル大学SHIN Chan-Soo医学部長による基調講演が行われ、引き続き両大学の総長等によるトップレベル会合を実施した後、午後からは「医療」「空間・環境経済学」「分子化学」の3つの分科会を同時開催しました。医療では、清水周次教授(大学病院国際医療部)と盆唐ソウル大学病院外科HAN Ho-Seong教授による統括のもとで3つのセッションを実施、また加河茂美教授(経済学研究院)とソウル大学農業生命科学部KIM Euijune教授による統括のもとに実施された「空間・環境経済学」のセッションでは、多くの学生が参加し、議論が展開されました。さらに「分子化学」では、高原淳教授(先導物質化学研究所)とソウル大学材料工学部SEO Yongsok教授による統括のもと、両大学研究者からの最新の事例報告が行われました。
  11日には、九州大学ベトナム同窓会の設立を記念して、九州-ベトナム連携セミナー「九大とベトナムの連携 これまでとこれから」を開催、同日の夜には九州大学ベトナム同窓会をオンラインで開催し、ベトナムの本学同窓生や本学在籍の留学生から多くの参加を得て、和やかな雰囲気のもと参加者間の旧交を温めました。
 最終日の12日には、本学医学部の卒業生であり、長きにわたりアフガニスタンとパキスタンにおいて医療活動、灌漑事業など支援活動に尽力された、中村哲先生の想いを繋ぐ会「共に歩み ここに生き 未来を照らす」を開催しました。本会は中村哲先生の“志”やメッセージを次世代に継承する目的で立ち上げた九大プロジェクトの一環であり、次世代の代表である学生が企画から運営まで中心的な役割を担い実現しました。
 当日はペシャワール会の村上優会長、藤田千代子理事、日本電波ニュース社プロデューサー・カメラマンの谷津賢二氏による講演が行われた後、講演者と学生登壇者によるジョイントフォーラムを開催、中村哲先生の“志”を各参加者がどのように考え、次世代にどのように語り継いでいくかについて、共に考える機会となりました。閉会にあたっては、中村哲先生の遺志を継ぐ記念講座の新設及びメモリアル・アーカイブの設置が発表されました。
 期間中にはこのようなイベントに加え、各部局においてSDGsに関連した7つのウェビナーが開催され、本学の学生や教員、海外のパートナー大学等の研究者による講演や活発な議論が行われました。
 さらに附属図書館、総合研究博物館、大学文書館の3館が連携し、アジアに関連する本学所蔵資料・成果物等の貴重な資料を最新のデジタルアーカイブ技術を用いて展示・発信する「九州大学のコレクション―大学創設期のアジア学術交流と古地図」を開催し、普段目にすることのない貴重資料を一般公開しました。

〔コレクションページ〕https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/exhibition/asiaweek2020

  新型コロナウイルス感染症による影響の中、オンラインを中心に約2週間にわたって開催されたAsia Week 2020は、国内外から多くの参加を得て、盛況のうちに閉会しました。
 自由な往来が制限される中ではありますが、本学では今後もウェビナー等の活用を通じて関係機関や海外大学等との国際交流や国際連携体制の構築及び社会的課題解決に向けた取組を推進し、世界に向けて発信してまいります。

AsiaWeek2020:https://asiaweek.kyushu-u.ac.jp/

 

オープニング・セレモニー(9/1)の様子

ソウル国立大学ジョイントシンポジウム(9/9)での講演者集合写真

ソウル国立大学との学長懇談会(9/9)での意見交換

9/11 九州-ベトナム連携セミナー講演者(左)とベトナム同窓会での記念写真(右)

中村哲先生の想いを繋ぐ会(9/12)での講演(上段)と学生とのジョイントフォーラム(下段)の様子