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「中村哲記念講座―中村哲先生の想いを繋ぐ―」(全8回)を実施

2021.09.29
トピックス

 令和3年6月16日~8月4日、本学伊都キャンパスの中央図書館内きゅうとコモンズにて、「中村哲記念講座―中村哲先生の想いを繋ぐ―」を実施しました。

 遠いアフガンの地で35年に渡り医療・水事業・農業に心血を注いでこられた故・中村哲医師(1946-2019. 九州大学医学部卒)の意志と仕事を次代に伝えるため、九州大学では2021年3月、「中村哲先生の志を次世代に継承する九大プロジェクト」を立ち上げました。
 本講座は、プロジェクトの核となる取組みの一つで、2021年度夏学期、全学部の1年生を主な対象とする基幹教育総合科目として開講、32名が受講しました。新型コロナウイルス感染防止の観点から、授業は会場とオンラインのどちらからでも参加できるハイブリッド配信形式となりました。

全8回の講座前半は、中村哲医師と共に活動し、その遺志を継ぎ現在も活動を続けているペシャワール会から村上優会長と藤田千代子PMS支援室長、そして中村医師の活動の社会的意義を文化人類学の視点から発信してきた清水展関西大学特任教授を講師に迎え講演を行いました。参加した学生の関心も強く、講演と質疑応答を通じ、中村医師の人物とその仕事、その背景について、様々な角度から理解を深め、自分の言葉として咀嚼する課題に取り組みました。

村上優ペシャワール会会長

藤田千代子PMS支援室長

清水展関西大学特任教授

 後半は少人数の班でのグループワークを行い、提示された課題について、中村医師の著作や講演をもとに話し合い、まとめる作業を行いました。
 講座を担当する鏑木政彦教授(共創学部長、教育担当副学長)は「感じたものを言葉にして考えを深めていく過程を大事にしていきたい」と、学生たちがサポート役のTA※とともに学びあう場としてこのグループワークを設定しました。短い時間の中で参加者は真剣に議論に取組み、最終回では、ディスカッションをもとに発表を行いました。コロナ禍の中、じっくり語り合う喜びもあったようで、TAがサポート役として加わったグループワーク(ディスカッション)は学生に好評でした。
※この講座には院生や上級生からなるTA(ティーチングアシスタント)が授業の計画や準備から参加して、授業の運営を支えました。TAが授業の報告として発信してくれたnoteも、ぜひご覧ください。
中村哲先生記念講座@九州大学| #note

担当の鏑木政彦教授

副担当の松永典子教授

グループワークの様子

「中村先生のご活動の中で大切にされてきた多くのことが今こそ重要になってきていると感じています。この講座を通じて中村先生のご活動や考え方について理解を深め、何かを学び取って欲しいと思います。」と、開講によせられた石橋総長からのメッセージは、記念講座に関わった一同の思いです。講座終了後のアフガニスタン情勢急変のニュースを、学生たちは今まで以上に身近に感じ、さらに思索を深めていくことでしょう。
 中村哲先生の想いを繋ぎ、未来の課題に挑戦していく学生たちを深い所で支える教養を培う場として「中村哲記念講座」を育て、次年度以降も継続してまいります。

 講座に関わりを持ってくださった皆さまに心よりお礼申し上げます。

※教材開発センターの協力で撮影した本講座(講演)の記録映像は、中村哲著述アーカイブに蓄積してまいります。 

参考)「中村哲先生の志を次世代に継承する九大プロジェクト」
    https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/pj_nakamuratetsu
    Twitter:https://twitter.com/pj_nakamura
   「中村哲著述アーカイブ」
    https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/nakamuratetsu

お問い合わせ

「中村哲先生の志を次世代に継承する九大プロジェクト」事務局
九州大学附属図書館 eリソース課 リポジトリ係内
電話:092-802-2459
Mail:pj_nakamura★jimu.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。