九州を盛り上げてもっともっと元気にしたい
文学部人文学科 2018年卒業
森 由布子
九州朝日放送

―大学時代の思い出を教えてください。
森 地理学分野の研究室で「巡検」というフィールドワークをしたことが思い出深いです。福岡県内の地域を歩いて、興味のある分野を掘り下げていく研究で、私は主に地域の食について調べていました。

―就職先にテレビ局を選んだ理由をお聞かせください。
森 中学生の時に見たWBC(野球)の感動が忘れられなくて、見ている人の感情を揺さぶるような番組を作りたいと思ったことがテレビ局を目指した理由です。私は熊本県出身で、大学時代を過ごした福岡にも愛着があるので、ローカル情報を扱い、地元の人を元気にしたいと考えて、九州朝日放送(KBC)を志望しました。
―テレビ局ではどんな仕事を担当してきましたか?
森 最初は朝の情報番組『アサデス。』のディレクターを担当しました。その後、報道記者を経て東京へ異動になり、番組編成に関わる編成部での仕事を経験しました。現在は、CM枠をスポンサー企業に提案する営業を行っています。部署が変わることで、転職したくらいに仕事内容が一変するのがテレビ局の面白いところです。

―文学部で学んだことが役立っていると感じることはありますか?
森 「巡検」で歩いて回った地域は、特徴が分かりやすいエリアばかりではありませんでした。現地に足を運んで、その場で面白いネタを探して、カタチにして発表するという流れは、そのまま番組作りにも通じるものがあります。
―番組作りのポイントを教えてください。
森 まず、私自身が面白いと感じているかが大切です。なぜ面白いと感じるのか理由を掘り下げて、視聴者が何かを考えるきっかけになるような番組作りを目指していました。また、地元で頑張っている人や地域にとって価値のある情報など、ローカル放送局だからこそ扱えるネタを見逃さないように意識していました。
―九州大学を目指す受験生や在校生にメッセージをお願いします。
森 大学の頃の友人の多くは東京で活躍しています。それはとても素晴らしいことで、九州大学ならではの魅力だとも思いますが、ローカル放送局で働く立場からすると、九州を元気にすることも、とても意義のある取り組みです。私自身、今は東京に転勤になりましたが、いずれ福岡に戻って番組作りに携わりたいと考えています。九州を盛り上げて、ローカルから発信する仕事にも興味をもってくれると嬉しいです。

聞き手:藤本 和佳菜 文学部人文学科3年
中学生の頃からの夢を叶えて、実際にメディア業界で働いていらっしゃる先輩のお話を聞くことができて、とても光栄でした。「見ている人の感情を揺さぶる番組を生み出せたら」という森さんの言葉がとても印象的でした。私も先輩のように夢を叶えるために日々努力していこうと思います。今回は貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
※本内容は「九大広報128号(令和5年12月発行)」に掲載されています。学年などは当時のものです。