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好奇心の赴くままトライを続け、世界の舞台で活躍

生物資源環境科学府
資源生物科学専攻 2013年修了

石野 史人

日本たばこ産業株式会社

―大学ではどのような研究をされていたのですか?

石野 子供の頃からサンゴの生態に興味があり、生態学、分子生物学など、いろんな側面から分析していました。研究で多くの時間を過ごした福津市津屋崎にある水産実験所は、思い出深い場所です。外が暗くなるまで研究に没頭した日は、実験所の屋上に上がって、波の音を聞いてのんびりするのが好きでしたね。

大学のソフトボール部のメンバーと。社会人になってもソフトボールを続けている

―研究以外ではどんな大学時代を過ごされていましたか?

石野 ボランティア活動でインドネシアに約1カ月間滞在し、現地の環境問題を目の当たりにしたことは、良い経験になりました。また、修士2年時に自分の就職活動を終えてから、学生の就活を支援する団体を立ち上げました。思い立ったら率先して動くようにしていたので、アクティブな学生生活だったと思います。

―これまでにどのような仕事を経験されてきたのでしょうか?

石野 日本たばこ産業株式会社(JT)に入社して、国内外にある葉たばこの生産農家や加工工場に対して、品質向上や業務改善に向けたサポートを担当。また、原料となるたばこの品質に関する世界的な基準作りにも携わりました。ブラジルやドイツに赴任したこともあり、さまざまな仕事に取り組む機会が得られています。

―農学部で学んだことが役立っていると感じることはありますか?

石野 農家や工場のサポートをする際には相手の要望にそのまま対応するのではなく、生理学などの知見に基づいて、より適切な改善案を提案しています。その際に、サンゴの研究で培われたノウハウを活用しています。また、多くの人と交渉、調整を図る機会が頻繁にあり、学生時代に積極的に行動したからこそ得られた経験が役立っていると感じます。

海外研修で赴任したトルコにて

―日本と海外で仕事のやり方に違いはありますか?

石野 海外赴任や研修で世界中の10か国以上に行ったことがあります。日本人相手だと伝わることでも、外国人には正しく理解されない場合が多く、海外でビジネスをする上では、自分の考えをはっきり示すことが大切です。タンザニアでキリンの通過待ち渋滞が発生するなど、日本では起こり得ない場面に遭遇するのも、海外勤務ならではの面白さです。

―九州大学を目指す受験生や在校生にメッセージをお願いします。

石野 社会人になると責任が伴うからこそ、仕事で得られるやりがいは学生時代の楽しさとは質が違います。学生のうちから何事にもチャレンジして、やりたいことを見つけてください。仕事って楽しいですよ!

聞き手:大宅 信也 生物資源環境科学府 資源生物科学専攻 修士2年

大学生活も残りわずかとなり、社会に出ることに漠然とした不安を抱えていましたが、石野さんのお話を伺う中で、社会に出る実感を得ることができました。就職支援団体の立ち上げや海外でのボランティア活動など常に自発的に取り組まれている石野さんのように、変化を恐れず挑戦する心を持った人間になりたいと思いました。

※本内容は「九大広報128号(令和5年12月発行)」に掲載されています。学年などは当時のものです。