命につながる仕事の責任とやりがいを胸に

理学部生物学科 2021年卒業

持田 真由

山下医科器械株式会社

―大学ではどのような研究をされていたのですか?

持田 高校生の頃に生物学に興味を持ち、大学でより学びを深めたいと考え、生物学科の動物発生学研究室に所属。ニワトリの精細胞や卵細胞の元となる始原生殖細胞を研究しました。細胞の移動過程や分子に関するメカニズムを解明しようとする研究です。

動物発生学研究室の同期と卒業式の日に撮影した写真。持っているのは研究で使用した有精卵

―現在はどのような仕事をされているのですか?

持田 医療機器ディーラーの山下医科器械でメーカーと病院・クリニックの間に立って、最適な医療機器を提案、販売することが、営業である私の仕事です。メスなどの消耗品からMRIなどの高額な装置まで、扱う医療機器は多岐にわたります。病院でオペに立ち合って、販売した機器や装置が問題なく動いているかを確認するなど、入社前の想像以上に医療の現場に深く関わることができています。

―仕事のやりがいを教えてください。

持田 直近のオペで使用する機械などの急な発注が入ることも珍しくありません。納品が遅れると、そのオペが実施できないことになります。医療機器メーカーと連携して納品を間に合わせ、無事に手術が終わったという報告をもらえると、ほっとするものです。人命に直結する仕事に携われていることにやりがいを感じています。

―理学部で学んで良かったと感じることはありますか?

持田 オペに立ち合った際に、臓器の位置などが分かっているので症例についての理解が早いなど、生物学を学んだことの直接的なメリットを感じる場面は多くあります。また、学生時代に目の前の壁を乗り越える習慣がついたため、今でも諦めずに取り組むことが自然とできています。これも、九州大学で学んだからこそ得られたものだと思います。

佐賀県吉野ケ里のフォレストアドベンチャーにて、新入社員研修のチームビルディングプロジェクト

―九州大学にどのような活躍を期待していますか?

持田 ニュースをチェックしていると、大学生や大学院生がブレイクスルーにつながるような研究結果を発表したという記事を見かけることがあります。九州大学の教育の質の高さは卒業生として身に沁みて感じているので、「九大生の〇〇さんが世紀の発見!」みたいな記事を目にすることを楽しみにしています。

―九州大学を目指す受験生や在校生にメッセージをお願いします。

持田 後悔しない学生生活が送れると思うので、進学を迷っている人には自信を持っておすすめしたいです。在校生は授業やサークル、アルバイトで忙しいと思いますが、長期で休みがとれる学生のうちに、やりたいことにどんどんチャレンジしてください。

聞き手:服部 優菜 理学部生物学科4年

同じ研究室の先輩にインタビューさせていただくことができ、とても良い経験になりました。研究者ではなくても、学部での知識を活かしながらできる仕事があり、実際に活躍している先輩がいらっしゃることを知り、理学部からの進路が想像していたより開けていることを実感しました。持田さんのように視野を広く持ち、行動力を大事にしながら研究を進めたいです。

※本内容は「九大広報129号(令和6年7月発行)」に掲載されています。学年などは当時のものです。