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朝ドラ『おむすび』最終回パブリックビューイング及び公開講座を開催しました

2025.05.09
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令和7(2025)年3月28日(金)、九州大学は糸島市、NHK福岡放送局と連携し、連続テレビ小説『おむすび』の最終回パブリックビューイング及び公開講座を、糸島市の伊都文化会館にて開催しました。

本イベントは、ドラマを契機に、地域の魅力や「食」「栄養」といった身近なテーマについて、地域住民と大学がともに語り合う場を創出することを目的として実施されました。当日は、一般参加者及び関係者を含め100名を超える来場があり、会場は満席となりました。

冒頭では、連続テレビ小説『おむすび』最終回のパブリックビューイングを実施。視聴後には、同作品のチーフプロデューサーであるNHK大阪放送局の宇佐川隆史氏によるアフタートークが行われました。

宇佐川氏は、同作品が阪神・淡路大震災から30年という節目を背景に、「おむすび」を通じた人と人とのつながりを描いたものであることについて語り、私たちが生きるために欠かせない「食」に焦点を当て、学校給食や病院食、お弁当など、日常のあらゆる場面で栄養士(管理栄養士)が関わっていることを伝えたいという思いから、テーマを選んだことに触れました。糸島と自身との縁も紹介しながら、自然豊かで第一次産業が盛んな糸島を舞台として選定するに至った経緯について説明がありました。

続いて、大学院農学研究院の廣田知良教授による講演「九大研究者からみた糸島農業」が行われました。

本講演は、本学が掲げる「VISION 2030」において重点領域としている環境・食料に関する研究成果発信の一環として企画したものです。

廣田教授は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)において長年にわたり北海道の農業研究に従事した経験をもとに、糸島の農業の特徴について紹介しました。福岡市という大消費地に隣接し、日本最大級の産直市場を有する点が販路確保における大きな強みであることや、都市近郊でありながら大規模農業が展開されている希少な地域であることが解説されました。

イベント後半には、農学研究院の房賢貞(バン・ヒョンジョン)助教の進行により、出演俳優の須田邦裕氏、宇佐川プロデューサー、廣田教授、本学学生である出來菜月樹さん、林史浩さんを交えたトークショーが行われました。

トークショーでは、作品の撮影秘話や印象的なシーンの紹介を通じて、糸島の魅力や「食」をめぐるテーマについて語られ、会場は大いに盛り上がりました。ドラマの舞台である糸島の魅力や、農業・食の重要性についても改めて共有され、視聴者にとって作品の背景をより深く知る貴重な機会となりました。

本イベントを通じて、参加者からは「農業」「食」「環境」といったテーマへの関心が高まったとの声が多く寄せられました。また、九州大学が地域と積極的に関わろうとする姿勢や、産学官連携の取り組みに対して高い評価と期待が寄せられたことも大きな成果といえます。

九州大学は、今後もNHKや自治体との連携を通じて、地域の魅力発信と社会連携の推進に取り組んでまいります。

宇佐川 隆史 日本放送協会 大阪放送局 チーフプロデューサー/連続テレビ小説『おむすび』 制作統括

廣田 知良 大学院農学研究院環境農学部門 教授

房 賢貞 大学院農学研究院/附属国際農業教育・研究推進センター 助教

トークショーの様子

(左から) 九州大学学生 林史浩さん、出來 菜月樹さん、廣田教授

(左から) 宇佐川プロデューサー、 俳優/連続テレビ小説『おむすび』イチゴ農家・井出康平役 須田邦裕さん

集合写真

朝ドラ『おむすび』最終回パブリックビューイング&公開講座