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機械翻訳実験用計算機KT-1が国立科学博物館重要科学技術史資料に登録

2013.09.18
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   九州大学が昭和30年代に機械翻訳研究のために開発した実験用コンピュータ「KT-1」が,国立科学博物館重要科学技術史資料(第00116号)として登録され,平成25年9月10日(火)に,登録証授与式が国立科学博物館において開催されました。
  重要科学技術史資料(愛称「未来技術遺産」)とは,科学技術史資料のうち,「科学技術の発達上重要な成果を示し,次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」 や「国民生活,経済,社会,文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」を国立科学博物館が選定し登録しているものです。「ウォークマン」,「世界初のデジタルカメラ」,「蚊取り線香」など,平成20年度より毎年20~30件程度が登録されています。
 実験用コンピュータ「KT-1」は,昭和30年代に,日本で初めて,日本語・英語・ドイツ語の3か国語を自動的に翻訳する実験のために開発された言語処理用コンピュータです。本学工学部(通信工学科:当時)の伊藤誠,大野克郎両先生の尽力により文部省科学研究費を獲得し,田町常夫,栗原俊彦両先生が設計と調整を担当されました。このコンピュータは,トランジスタ・ダイナミック回路を採用し,当時のコンピュータとしては文字列の演算に優れているという特徴を持っていました。また,各国語辞書約100語,2言語間の翻訳規則約70を用い,自動翻訳処理を実現していました。今や無くてはならない「かな漢字変換」技術の源流にもなった,画期的な技術開発でした。
 現在,このKT-1は,伊都キャンパスにある工学部百周年記念展示室で公開されており,学外の方にもご覧いただくことが可能です。

 

●九州大学工学部百周年記念展示室「CENTENNIAL GALLERY」 
場所:九州大学伊都キャンパス ウエスト4号館1階ロビー
オープン時間:10:00~17:00(土,日,祝日,12月29日~1月3日閉館)
問い合わせ先:工学部等総務課庶務係 TEL:092-802-2708

 

【写真】
(上)KT-1の心臓部:磁気ドラム装置
(中)KT-1の頭脳:制御回路
(下)授与された重要科学技術史資料登録証及び記念盾