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核融合への教育研究で日仏5機関が連携

2007.10.25
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    平成19年10月22日(月)、九州大学をはじめとする日仏の5機関は、核融合に関する基礎研究推進と人材育成を目的とした国際連携協定に調印し、「磁場核融合研究に関する国際連携研究所」(LIA )を発足させました。

 連携協定に参加したのは、九州大学、大阪大学核融合科学研究所(NIFS)CNRS(フランス国立科学研究センター)プロヴァンス大学の5機関です。

 LIAの当初の研究テーマは、ITER(注1)への応用を視野にいれて、プラズマの輸送現象の電磁効果に焦点を絞った研究としており、同時に、核融合に関する世界的若手育成にも寄与していきます。またこれらの活動は、B.A.(注2)の一環としても行われます。

 LIAには、日仏よりそれぞれ共同デイレクターが1名ずつ置かれ、日本のデイレクターは九州大学の伊藤早苗教授、フランスはプロヴァンス大学のベンカダ教授です。交流のシンボルとなる日本オフィスは、九州大学応用力学研究所に設けられます。また2008年の第2回ITER国際サマースクールは、九州大学で実施される予定です。

 

【ブレシニヤックCNRS会長の談話】
 LIAの誕生で、日仏間に新しい研究の枠組みができたことは誠に喜ばしい。5機関はこれまでも交流講義やITERサマースクール実施などを連携して行ってきたが、さらに力を合わせて核融合科学の推進に努力したい。

 

【梶山九州大学総長の談話】
 すばらしい連携研究のスタートとなる調印式が九州大学で行われたことに感謝する。すでに連携が目に見える形で始まっていることで、今後への期待がふくらむ。核融合のような新しい研究で重要なのは、平和利用はもちろんだが、人を育てること。伊藤早苗ディレクターをはじめLIAの活動を九州大学として強く支援していく。

 

【伊藤教授の談話】
 プラズマ物理・核融合研究において、九州大学が世界一流の研究拠点(COE)であることを示していただいたことは嬉しい限り。ここで世界一流の研究に触れ、直接携わることによって、若い人材が世界的リーダーへと育っていくと信じる。

 


(写真上)協定調印に参加した(左から)レイエ プロヴァンス大学副学長、ブレシニヤックCNRS会長、梶山九州大学総長、本島NIFS所長、辻 大阪大学理事。式には文部科学省の林 文部科学審議官、フランス工学アカデミーのギノー会長など、日仏の関係者約20名が列席した。

 

(写真下)応用力学研究所内に設けられたLIA日本オフィスでの開所式

 

 

(注1)ITER:国際熱核融合実験炉
 平和利用のための核融合エネルギーの実現可能性の実証を目指す大型国際共同プロジェクト。参加国は日本、欧州連合(EU)、ロシア、アメリカ、中国、韓国の6カ国。建設地は、フランスのカダラッシュに決定されている。(NIFSのホームページより)

 

(注2)B.A.(ブローダー・アプローチ) 
 核融合エネルギーの早期実現のため、ITERと並行して取組むべき重要課題を日本とユーラトム(欧州原子力共同体)間で実施する国際協力プロジェクト。

 

 

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