光化学オキシダント汚染の数値シミュレーションによる再現に成功
2007.05.17
トピックス
九州大学応用力学研究所と国立環境研究所の研究グループは,2007年5月8日から9日に発生し大きな社会問題となった,光化学オキシダント汚染の数値シミュレーションによる再現に成功しました。
同期間に発生した高濃度オキシダント汚染は,東シナ海に位置する高気圧の北側の西風で中国東岸から流れ出した汚染気塊が,朝鮮半島南部を経て,北部九州から東日本の広い範囲に高濃度のオゾン域を形成したためであることが示されました。光化学オキシダント注意報レベルに相当する汚染気塊のスケールも,東西数百km を越えることが明らかにされました。
今回の光化学オゾンのモデルによる再現の成功により,今後の東アジア域の「大気環境の予測システム」の構築が可能となると考えられます。また,今後の対策として,中国・韓国などと共同して対策を練ることが必須であることを示しています。
詳しい研究成果の概要は,こちらのプレスリリース資料をご参照ください。
応用力学研究所と国立環境研究所の共同研究として化学物質輸送モデルで計算された地上から450mまでのO3の平均濃度 |
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気象庁GPV 気象モデルRAMS 発生源REAS 1.1 for 2003年推計 CMAQ ver.4.4 時間は日本時間 |