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東アジア地域の発展の方策を探る -日中韓シンポジウムを開催[02/01-02]しました

2007.02.08
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 2007年2月1日・2日、九州大学アジア総合政策センター及び中国社会科学院、韓国・東国大学校の共催により「日中韓シンポジウム-新しい連携と地域アイデンティティの形成にむけて-」が行われました。報告者は日中韓の研究者や実務家40名余り。一般市民の参加者を含めて2日間で延べ500名が参加しました。

 初日の基調講演では、蒋立峰(中国社会科学院日本研究所所長)と洪潤植(東国大学校日本学研究所所長)が、日中韓の共通の価値観として「和」があり、お互いの多様性を尊重しながらナショナリズムを超えて、東アジアの地域アイデンティティを形成することの必要性について語りました。午後の報告では、EUの地域統合の経験、メディア交流や産業連携の現状、高齢化社会への対応について、現状分析と課題が紹介されました。

  2日目は「ポップカルチャーと基底文化」「医療・生命倫理」「産業連携」「高齢化社会とアクティブ・エイジング」の4つの分科会で専門分野の議論を深めました。また、午後からは「東アジアにおける臓器移植と生命倫理」と題して九州大学、清華大学、ソウル大学を高速回線で結んでのテレコンファレンスが行われました。

 最後の全体会では、2日間の議論を受けて提言が採択されました。提言には、共同研究の促進や多言語放送、相互の言語を学びあう機会の提供、人的交流の活発化などが盛り込まれました。本シンポジウムの様子は朝日、読売、毎日、西日本新聞、NHKなど多数のメディアによって報道されました。

 政治的には緊張関係にある日中韓において、研究交流を通じて相互信頼を築いていこうとして企画された本シンポジウムは、本年後半には韓国で、2008年には中国で開催される予定です。


1日目の基調講演で話す中国社会科学院の蒋立峰教授 パネルディスカッションで意見を交わす研究者たち