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ロンドンオフィス便り 「第2回英国同窓会開催」

2006.11.16
トピックス
第2回英国同窓会 皆さん、こんにちは。
 2006年10月6日、第2回九州大学英国同窓会を開催しました。参加者は6名と少なかったのですが、ロンドンの格式高い、いわゆるジェントルマン・クラブの一つであるリフォーム・クラブ(Reform Club)にて開催し、大いに盛り上がりました。盛り上がったといっても、英国人のジェントルマンが大勢いるなかで、日本人のジェントルマン(?)およびレディーとして大騒ぎするわけにはいかないので、自重しながらも、グラッドストーンやチャーチル首相も食事をしたと思われる豪華な大レストランにて、歓談を楽しみました。

 会食の前に参加者の皆さんを1841年に完成したクラブハウスの中を案内し、喜んでもらえました。館内には大きな読書室兼歓談室が2つあり、またブリッジを楽しむ部屋、会員同士だけのレストラン、ビリヤード・ルーム、宿泊施設等も整っています。英国には、Reform Clubのような歴史の長い会員制のジェントルマン・クラブがいくつかありますが、その設立目的は政治、思想、学問、趣味等、バラエティーに富んでいます。

 英国では1932年に大選挙改正法(The Great Reform Act)という、英国の議会制民主制度の発展の歴史に名が残る法律が成立し、選挙権が大幅に拡大されました。この時代はトーリー党とホウィグ党の2大政党が活躍していましたが、この法律の成立を推進したのが、ホウィグ党員や改革派の国会議員でした。この法律の成立を受け、今後もこの精神を持続していこうと、ホウィグ党員や改革派の国会議員が中心となり、1936年にリフォーム・クラブを設立しました。

 クラブハウスは、英国の国会議事堂を設計したチャールズ・バリー(Charles Barry)が担当しました。後にリフォーム・クラブは、ホウィグ党の流れをくむ自由党(Liberal Party)のハブとなり、グラットストーン、アスキス、ロイド・ジョージ等、何人もの首相を輩出しました。アスキス首相の時代には、閣議を当クラブ内の一室で開いていたため、現在でも「Cabinet Room」という部屋が残っています。チャーチル元首相、シャーロック・ホームズを書いたコナン・ドイルや「80日間世界一周」を書いたジュール・ヴェルヌも当クラブの会員でした。映画にもなった小説「80日間世界一周」は、リフォーム・クラブが舞台となっています。

 設立当初は政治家が主な会員でしたが、その後は色々な分野の人々が入会しています。ジェントルマン・クラブとはいえ、1980年代初めには女性会員を認めています。これは歴史のある、名が通ったクラブとしては初めての事例であり、画期的なことでした。また外国人にも門戸が開放されており、私はジェントルマンであるかについては、はなはだ自信が無いのですが、1996年に入会が許可されました。

 ちなみに、当日の同窓会参加者は、楠元みのりさん(平成5年文学部卒)、藍谷鋼一郎さん(平成6年工学部卒)、小坂伸行さん(平成7年農学部卒)、横山英輝さん(平成8年経済学部卒)、森本陽平さん(平成14年工学部卒)および私の合計6名です。クラブの館内の写真撮影は禁止されているため、英国の本場のジェントルマンに混じって堂々(?)と食事中の我々の姿をご披露できずに残念ですが、会食後にクラブの玄関にて撮影した写真をお送りします。(藍谷さんは社用により、途中退席したため写真には写っていません。)また、来年には第3回目の同窓会を予定しています。

平成18年10月24日
山田 直
九州大学ロンドンオフィス所長



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