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九州大学/日本政策投資銀行ジョイントセミナーを開催

2005.03.09
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 九州大学産学連携センター、知的財産本部、日本政策投資銀行九州支店は、去る2月28日(月)九州大学医学部100周年記念講堂において、『九州大学/日本政策投資銀行ジョイントセミナー(第99回KASTECセミナー)~大学発バイオベンチャー創造に向けて~』を開催しました。これは、平成16年10月に締結した組織対応型連携協定に基づき、日本政策投資銀行と九州大学が合同で実施する2回目のプログラムとして行われたものです。

 大学発ベンチャー創出に向けた大学内外の活発な動きを受け、本セミナーは、大学からの新事業創造、なかでもバイオベンチャーの創出支援を目的として企画されました。小寺山亘九州大学理事・副学長(知的財産本部長)の開会挨拶に続き、南カルフォルニア大学医学部の岩城裕一教授(九州大学客員教授)により『バイオベンチャー創造に向けて-米国の大学運営に学ぶ-』と題した基調講演が行われました。岩城教授は、在米28年、臓器移植の権威であると同時に、15年以上にわたり大手製薬企業やバイオベンチャー企業、ベンチャーキャピタルにおいて投資戦略に関する顧問等を務めるバイオベンチャーの専門家でもあります。また、自ら創業者であり会長を務める米国創業のメディシノバ社をベンチャー企業向け市場であるヘラクレスに平成17年2月8日に上場するなど、活発な起業活動を行っています。講演では、産学連携の活発な米国大学の事例として南カリフォルニア大学の経営システムが報告されましたが、日米の大学における相違点として、寄付に対する意識や大学の経営意識、大学研究者の評価システム等が紹介され、集まった約70名の企業関係者、大学関係者の大きな関心を呼びました。

 さらに『大学からの新事業創出-バイオ分野を中心に-』と題したパネルディスカッションでは、前出の岩城教授に加え、日本政策投資銀行新産業創造部・長尾秀樹審議役、九州大学経済学研究院・高田仁助教授をパネラーに迎えました。長尾氏は同行においてベンチャー支援業務、投資業務の責任者で、投資という形でベンチャー支援を行う立場にあります。また、高田助教授は、大学専属TLOの中で日本最有力と言われるCASTI(現東大TLO)で副社長として活躍した経験があり、現在は九州大学知的財産本部技術移転グループのリーダーを務めています。大学発の新事業創造に深く関わっているこれらのパネラーが、谷川徹九州大学産学連携センター教授/知的財産本部副本部長の進行のもと、これからの大学発ベンチャー創出に向けた方策や日本の大学の役割などについて、アメリカの大学と比較しながら活発な議論を繰り広げました。また、九州大学からは梶山総長、渡辺理事、他幹部らが出席し、岩城教授の講演に熱心に耳を傾けていました。