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About 九州大学について

2026年度 春季入学式(学部) 総長告辞

総長式辞・挨拶等

2026年度(令和8年度)春季学部入学式 総長告辞

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。九州大学教職員一同、心よりお祝い申し上げます。また、今日までの皆さんの道のりをずっと見守り、支え、励ましてこられたご家族、友人、関係者の方々にも心よりお喜び申し上げます。
今年度の学部新入生は、留学生29名を含む2,601名です。

本日は、本学の卒業生であり、現在、モンゴル国駐箚(ちゅうさつ)特命全権大使の井川原賢(いがわはら まさる)様を来賓としてお迎えしております。井川原大使は1984年に本学経済学部を卒業された後、外務省に入省され、外交の第一線で活躍しておられます。2023年からはモンゴルと我が国の良好な関係構築に尽力され、本日は、そのご経験から皆さんにとって示唆に富むお話を伺えることと思います。

皆さんはなぜ九州大学で学ぶことを選ばれたのでしょうか。
大学教育とは、自分自身で学びたいことを選択し、その学問を究め、深め、やり抜き、体系的な知識にするということだと考えます。そして、それを基に自分の考えを導き出し、発展させ、形にして社会活動に役立てるのです。
大学は長い歴史と伝統の中で築かれ培われた「知」の塊です。その集積された「知」から学び、それを次の世代に伝え、新しい「知」を生み出すことが、ここに集う私たちの使命です。そして、今日から皆さんはその一員なのです。本学の長い歴史と伝統の中で、幅広い研究分野で培われ蓄積された知識と研究が、皆さんの学問に対する好奇心、探求心を掻き立てることを信じています。
皆さんがなぜ九州大学で学ぶことを選択したのか、そのことを折に触れて思い出してください。そこに皆さんの「学び」の原点があります。自分が選択した学びに真摯に向き合い、それを深め、目指した学びを全うしてください。私たち教職員も共に皆さんの学びを支え、その学びを学位で保証します。

九州大学は1911年に創立され、その理念に「自律的に改革を続け、教育の質を国際的に保証するとともに、常に未来の課題に挑戦する活力に満ちた最高水準の研究教育拠点となる」を掲げています。また、『教育憲章』では、秀でた人間性、教養豊かな社会性、優れた国際性、創造性の高い専門性を有する人間の育成を目指すことを定め、『学術憲章』では、人類の長い歴史の中で探究され、結実した叡智を大切にし、これを次の世代に伝えること、その上ですべての学問の伝統を基盤に新しい展開、先進的な知的成果を生み出すことを使命と規定しています。

本学の初代総長、山川健次郎先生は、「己が専門の学問の蘊奥(うんのう)を極め、合わせて他の凡てのことに一応の知識を有して居らんで、即ち修養が広くなければ完全な士と云うべからず」と説いておられ、専門の学問を究めるだけでなく、他のすべてのことに対応できる見識を有すべきであることを求めています。本学はこの言葉を大切にし、皆さんが一年次に学ぶ基幹教育では、文理を問わず、異なる専攻の学生たちが一緒に対話型の協働学習をしながら、論理的思考力を養い、知識そのものを新たな視点から創造的・批判的に「知識の再生産」を試みる取り組みをしています。基幹教育は皆さんがこれから進む学問の道の出発点であり、基礎となります。山川先生の言葉を胸に、専門教育に向けて、基幹教育から真摯に取り組んでください。

本学は「Kyushu University VISION 2030」を策定し、2030年に向けて「総合知で社会変革を牽引する大学」への道を進んでいます。ここでいう「総合知」とは、本学が持つ自然科学系と人文社会科学系、さらにはデザイン系の「知」も組み合わせて、現代社会の複雑に絡む事象を単一の研究分野だけではなく、複数の分野の「知」を活用し、多様な視点で課題の解決に導く新しい知識や斬新な考え方を意味します。総合知によって社会課題を解決していくことと、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進め、教育・研究はもとより、社会変革に貢献できる取り組みを遂行しています。昨年の大阪・関西万博において、藤川茂紀主幹教授のチームが開発したナノ分離膜を用いた「DAC-U(Direct Air Capture and Utilization)」装置が「RITE未来の森」に常設展示されました。本装置は、大気中のCO₂を直接回収し、エネルギーなどに再利用する「脱炭素」技術であり、大きな関心を集めました。さらに安達千波矢主幹教授が、有機EL(エレクトロルミネッセンス)の新素材の開発からデバイスの開発まで、長年にわたって取り組まれ、この研究成果を活用するスタートアップ企業「株式会社Kyulux」を設立し、基礎研究から生まれた成果を社会に実装することを自ら実現されました。そして昨年「2025年度江崎玲於奈賞」を受賞しておられます。
どの学問にも未知の領域があります。その未知との出会いから、新しい知を発見し、社会変革や社会課題解決につなげる、それが九州大学を含めたすべての大学のミッションだと思います。

未知との出会いという観点からもう一つ。今日入学した皆さんには在学中にぜひ留学を経験してほしいと思っています。私自身も米国留学を経験しましたが、異文化に触れ、多様な考えの人々と交流することで、新しい考え方や視点を持つことができるのはもちろん、更に自分を強くすることができます。
九州大学には、卒業生や関係者などからの貴重な支援を基につくられた「九州大学基金」があり、その中には先ほど述べた山川健次郎先生の名前を冠した「山川賞」など、皆さんに対する修学支援制度があります。近年、国も様々な支援策を打ち出していますが、大学院進学、特に博士課程への進学が減少傾向にあります。しかしながら、現代社会が抱える困難な課題を解決するためには、高度な専門性と汎用的能力が要求されており、博士課程を修了した方々の活躍が重要となっています。4年後、または6年後、皆さんの学びの好奇心が、次の大学院進学につながることを期待します。

皆さんが学ぶ九州大学には4つのキャンパスがあります。ここ伊都キャンパスは「総合科学の中枢・実証実験拠点」で日々2万人が集い、最先端の研究や教育が行われています。美しい四季を充分に楽しめる豊かな自然に囲まれた、東西に約3キロ、南北に約2.5キロ、272ヘクタールの広大な敷地には、最新の研究棟や椎木講堂などの様々な施設があります。中でも約350万冊の蔵書を誇る中央図書館はその機能も構造も秀逸です。この中央図書館4階には、本学の卒業生である中村哲先生の「アフガンに寄り添った35年」の多くの記録が集められた「中村哲医師メモリアルアーカイブ」があります。中村先生は1973年に医学部を卒業され、その後35年間、アフガニスタン復興のために尽くされました。本学の誇りです。残念なことに先生は2019年に現地で凶弾に倒れられましたが、その後も先生を支えたペシャワール会の活動が続き、現地のPMS(ピースジャパンメディカルサービス)とアフガンの人たちの手で先生の構想が継続されています。改めて中村先生の確固たる生き方、揺るぎない想いを感じます。アーカイブを一度訪ねてみてください。その他、筑紫キャンパスは、物質・環境・エネルギー分野の「先端科学融合拠点」として、大橋キャンパスは、芸術工学部があり、アジアにおける「先端デザイン拠点」として、病院キャンパスは、世界最先端の医療設備を備え、アジアにおける「生命医療科学拠点」として、それぞれ特色ある研究教育を展開しています。また、箱崎キャンパス跡地は、「HAKOZAKI Green Innovation Campus」として、九州大学の歴史を継承し、環境先進都市としての新たな街づくりが始まります。

皆さんが大学生活を送るこれからの数年間は、社会・産業構造、世界情勢が大きく変化する転換点と重なることになると考えます。特に近年急速に発展している生成AIは、その象徴とも言える存在です。生成AIは、皆さんの学びや研究を支える強力な「道具」になります。今、敢えて「道具」と申しましたが、使い方がとても大切だということです。それに頼りすぎれば、「自分で考えるという力」を弱めてしまう危険性があります。AIに答えを求めることではなく、自分自身が問いを立てることです。問いを立て、考え、議論する。その過程の中でAIを活用する。
どうか皆さん、九州大学での新しい挑戦の中で、多くの問いを、そしてこの世界に必要となる問いを立て続けてください。

多発する自然災害、ウクライナ侵攻、ガザの戦闘、イラン攻撃、その他多くの地域の紛争など、私たちを不安にするこれらの事象は、人間が引き起こしたものです。また、日に日に成長を続ける生成AIも人間が生み出したものです。人間によって、世界はますます不確定な時代となっています。ただ、この世界を良い方向に変えられるのもまた人間です。この時代に大学生になった皆さんには、学問を深めることは言うまでもありませんが、九州大学にあるたくさんの「知」を礎に、大いに自由な議論を交わし、社会の有り様、世界の有り様に目を向け、地球社会の一員としての自分の立ち位置と役割を見定めていく時間にしてほしいと考えています。

最後に、皆さんの新しい大学生活が希望と夢に満ちたものであることを祈り、そして、その実現に向けての一歩を踏み出された皆さんに、心からエールを贈ります。
本日はおめでとうございます。

2026年4月3日
九州大学 総長
石橋 達朗