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About 九州大学について
九州大学大学院に入学される皆さん、入学誠におめでとうございます。九州大学教職員を代表して心より歓迎致します。
九州大学の学部から進学して来られた方、他大学や社会人、さらには海外から来られた方などおられますが、新たな気持ちで今日を迎えられたと思います。ちょうど桜が満開のこの日に皆さんをお迎えできますことを大変嬉しく思います。
また、今日まで長きにわたって皆さんの勉学と生活を支え、常に励ましてこられたご家族や関係者の皆様にも心からお慶び申し上げます。
今年度の大学院入学生の数は2,481名です。そのうち、博士課程554名、修士課程1,786名、専門職課程141名です。また、外国人留学生は35ヶ国425名17.1%です。
ところで、皆さんがいるこの椎木講堂ですが、5年前に完成し、ここで入学式が行われるようになりました。
椎木講堂は九州大学の創立百周年記念事業にご賛同を頂き、世界で活躍し、社会に役立つ人材育成を願って、椎木正和様のご好意により、できたものであります。このホールは約3,000名を収容でき、この講堂で入学式を挙行できますことを大変喜ばしく思います。
さて、皆さんがこれから過ごす九州大学の歴史と現状について紹介致します。
1903年(明治36年)今から116年前に京都帝国大学福岡医科大学が設置されました。
その8年後の1911年(明治44年)に工科大学が設置され、医科大学と工科大学が一緒になり、九州帝国大学の歩みがスタートしました。日本で4番目にできた国立大学です。108年前になります。
初代総長山川健次郎先生は、“修養が広くなければ完全な士というべからず”という言葉を残しておられます。 これは現在においても当てはまる言葉です。
以来、学部等の増設があり、2003年(平成15年)九州芸術工科大学との統合、2004年(平成16年)国立大学法人化などを経て現在に至っています。
九州大学には、昨年4月から新たにスタートした共創学部を加えた12の学部と、16の大学院研究組織の研究院、18の大学院教育組織の学府、4つの専門職大学院、そして高等研究院、基幹教育院、5つの研究所があります。さらに最先端の医療を提供する国内最大級1,415床のベッドを持つ大学病院、約420万冊の蔵書を誇る図書館などを擁する我が国屈指の基幹総合大学です。
学生数は、学部学生11,679名、大学院生6,989名、合計18,668名、そのうち留学生2,300人あまり、教職員7,911名、総合計26,579名の大きな組織です。
土地面積は、5つのキャンパス(伊都キャンパス、病院キャンパス、筑紫キャンパス、大橋キャンパス、箱崎キャンパス)、附属農場、4つの演習林などを合わせて合計約76km2であり、日本で3番目に広い敷地を持つ大学です。
皆さんのいるこの伊都キャンパスを紹介します。この伊都キャンパスは、古来より大陸文化を取り入れた伊都の国としての歴史ある場所です。
豊かな自然環境に恵まれた丘陵地で、東西3km、南北2.5kmの広大な敷地です。ヤフオクドーム40個分です。
伊都キャンパスの建設にあたっては自然環境に配慮し、生物多様性の保全に努め、古墳などの貴重な文化財の保存に可能な限りの工夫と努力がされてきています。
近くには糸島のきれいな海岸線や田園が広がっております。福岡市の中心部からは離れてはいますが、勉学にいそしむ素晴らしい環境です。
この伊都キャンパスは、平成17年から移転を開始し、13年かけて昨年9月、統合移転が完了し、ようやく完成しました。施設や設備が整えられたすばらしい研究環境です。
伊都キャンパスは大きく発展してきており、自然環境・歴史との共生や未来エネルギー社会のモデルキャンパスとなっています。人文社会学系、工学系の皆さんは、この伊都キャンパスで研究生活をスタートすることになります。
福岡市や糸島市と協力しながら、皆さんが生活しやすいように交通やアパート、コンビニエンスストアなどの生活環境も整備してきています。
医歯薬系の病院地区、芸術工学の大橋地区、総合理工学府、先導物質化学研究所と応用力学研究所の筑紫地区キャンパスで研究生活をスタートされる方もおられます。
箱崎キャンパスは昨年9月に全て学部の引っ越しが完了しています。今後、箱崎キャンパスは、売却に向けて土地の整備がなされており、新しいまちづくりの視点から福岡市などの関係機関との協議が進んでいます。
大学本部の建物と工学部本館及び正門は近代建築物の記念として保存されることになっています。
本学は、2011年に創立百周年を迎えました。その際、新たな百年に向けての基本理念を掲げ、目指す姿と行動計画を宣言しました。基本理念は「自律的に改革を続け、教育の質を国際的に保証するとともに、常に未来の課題に挑戦する活力に満ちた最高水準の研究教育拠点となる」です。
スローガンでは「九州大学が全ての分野において、世界のトップ百大学に躍進する」ということを掲げています。
私は、2014年総長に就任した際、、「九州大学アクションプラン2015-2020」を策定しました。
重点取り組みとして
を掲げています。
ところで、九州大学では次のような学術憲章を定めています。
最高学府として、人類が長きにわたって遂行してきた真理探求の道とそこに結実した古典的・人間的叡知とを尊び、これを将来に伝えてゆくことを使命とする。
また、諸々の学問における伝統を基盤として新しい展望を開き、世界に誇り得る先進的な知的成果を産み出してゆくことを使命とする。
このような大きな使命を持って、創造的・独創的な研究を展開し、学術研究の国際的拠点になること、人類の福祉と文化の発展、世界の平和への貢献、世界的に活躍しうる人材の育成を目指しています。
皆さんがこれからの大学院生活を送るにあたり、3つのことを心にとめて頂きたいと思います。
一つ目は一流の研究を目指すこと、
二つ目は、グローバルな視野、
三つ目は社会の課題への挑戦、です。
大学院では、これまでの学士課程で身につけた幅広い知識、教養、技術をもとに、より専門的な知識や技術を習得し、専門性を深化させていきます。
徹底した実験、調査、観察を通して新たな真実を導くという研究の感動を味わってほしいと願っています。素晴らしい研究は頭脳が柔らかい若い時代の研究が元になっています。是非一流の研究を目指してください。
インターネットが発達し、多くの情報が溢れています。情報に惑わされずに、何を目指すのか、自分のビジョンをしっかり持つことが重要です。
九州大学には恵まれた施設や設備があり、多彩で多様なすばらしい教授陣がいます。ぜひ思う存分活用していただきたいと思います。
大学院生時代の特権は、自分の時間が十分に使えることです。
研究の魅力、学会発表、論文を完成する喜び、先生や仲間との交流などの多くの感動を体験してください。
二つ目はグローバルな視野を持つことです。
経済や人の交流のボーダーレス化、企業の国際化、などがあり、皆さんは今後、グローバル社会を生きていかなければなりません。自国の文化や歴史を知り、自分の考え方を国際社会で主張出来る創造的・批判的・論理的思考力、積極的姿勢や語学力を兼ね備えることです。そのための近道は海外留学体験、国際学会での発表や外国人との交流です。
九州大学では、大学全体で、世界約100の国・地域から約2,500名の留学生を受け入れています。
一方、昨年は学部生、大学院生を含めて約2,000名が留学しています。九州大学基金による海外留学支援制度、九州大学カリフォルニアオフィスを活用した「ロバートファン・アントレプレナーシップ・プログラム」、「トビタテ!留学JAPAN」やスーパーグローバル大学創成支援事業、博士課程教育リーディングプログラム、ダブルディグリープログラム等があります。こうしたプログラムを積極的に活用し、世界に飛び出していただきたいと思います。若いうちに留学体験することにより視野が広がり、俯瞰する力が育まれ、日本や地域、そして自己を客観視する力などが養われます。
また、九州大学の中は多様性豊かな国際キャンパスです。外国人研究者や留学生と日常的に切磋琢磨し交流することで、国際的な視野や語学力を身につけることができ、世界の舞台で指導的役割を担うグローバル人材へと成長できると思います。
三つ目は社会の課題への挑戦です。インターネットや人工知能などの科学技術の進歩は、日常生活の便利さや快適さで恩恵をもたらしています。
しかし、一方、環境汚染、地球温暖化、エネルギー問題、食料・水問題、宗教・民族間の対立や紛争、大規模災害・感染症など、地球規模の課題に直面しています。
また、我が国特有の課題として、世界に類を見ない少子高齢化、過疎化、医療・介護問題、厳しい財政状況などがあります。どうかこれらの社会の課題に果敢に挑戦するような研究も行っていただくことを願っています。
以上、皆さんの心にとめていただきたいことは、一流の研究を目指すこと、グローバルな視野を持つこと、社会の課題へ挑戦すること、の三つです。
九州大学は皆さんが持っているさまざまな可能性を大きく成長させてくれる 素晴らしい人材と環境に恵まれています。
これらを最大限に生かして、大学での知的生活、社会的生活に積極的、能動的に関わってもらうことを願っています。大学院修了後、皆さんがどの道に進まれようとも大学院時代に経験した高度な問題解決の実績は皆さんの宝となります。
皆さんが新たな発見や体験をして大きく成長され、実り多い大学院生活になることを心から願いまして祝辞といたします。
平成31年4月3日
九州大学総長
久保千春