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3者による働く人のQOL(Quality of Life)向上への取り組み

 
『働く人の心の健康を維持するための仕組みづくり ~うつ/うつ症状の予防 ~ 復職支援等~』

公開日:2022.07.13

 

お知らせ

国立大学法人九州大学(福岡県福岡市西区、総長:石橋 達朗、以下、九州大学)は、株式会社島津製作所(京都府京都市中京区、代表取締役社長:山本 靖則、以下、島津製作所)、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(本社:山形県鶴岡市、代表取締役社長:橋爪 克仁、以下、HMT)と、『働く人の心の健康を維持するための仕組みづくり ~うつ/うつ症状の予防 ~ 復職支援等~』への取り組みにおいて連携いたします。

取り組みの背景

  • 時代の移り変わりとともに変化する人々の価値観や、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、働く人の環境は大きく変化していますが、個人としてのメンタルケア、働く組織におけるメンタルケアなどをどのように行うか、これまで以上に重視されるようになってきています。
  • 2013年に立ち上がった九州大学病院気分障害ひきこもり外来(九州大学 大学院医学研究院 精神病態医学分野 加藤隆弘准教授・主宰)では、生物・心理・社会的な理解に基づく社会的ひきこもりやこころの病気の治療法開発をすすめています。
  • うつ病の早期発見や早期対応が遅れることが社会的ひきこもりのリスクになる可能性を国際的に提唱し、ひきこもり研究ラボ@九大を拠点として、国内外の医療研究機関と連携し、うつ病やひきこもりの新しい評価ツールを開発し、支援法開発に向けた取り組みをすすめています。
  • 2016年には九州大学病院検査部と連携し血中代謝物バイオマーカーを用いたうつ病の重症度を診断する手法を確立し、2020年には島津製作所との共同研究成果として、うつ病診断補助の手法を確立しました。
  • 2022年より、これら検査手法を社会実装するための取り組みとして、企業における健診などで共同事業実証(以下、POC)を構築する取り組みをはじめました。
  • すでに島津製作所との共同研究として福岡市内のモデル企業の会社員100名を対象とした実証研究を始動しており、健診センター等と連携し、企業における社員のメンタルヘルスの不調を早期に発見できる体制作りに取り組んでいます。
  • HMTは、うつ病をはじめとするメンタルヘルスのバイオマーカーの研究を推進してきました。九州大学とHMTは、両者が保有する複数のバイオマーカーを組み合わせた精神状態評価指標の開発を行うことで合意し、今般、共同研究契約を締結し、休職・復職支援に向けた研究開発に取り組み、社会実装を目指します。

検査に用いる技術について

  • 臨床検査の現場では、毎日、患者さんの血液の酵素活性や代謝産物を測定しています。しかしこれまで用いている手法では、うつ病やうつ症状に関連する客観的な指標を血液中に見出すことできなかったため、検査精度としての課題が残っていました。
  • うつ症状に関連する有効な血液中のバイオマーカーを見出すことが出来れば、迅速かつ正確な検査が実現します。九州大学ではうつ病やひきこもりを対象とした、問診による新しい評価法を開発しており、更に島津製作所との共同研究により、血液バイオマーカーと融合させることで、客観的指標を持つ高精度なストレススクリーニングシステムの開発を行っております。
  • 現在、性格や気質に関連する40問程度の問診による被験者のストレス感受性の強弱に依存するグルーピングと質量分析法(LCMS)により得られる血液中バイオマーカーを組み合わせ、機械学習を用いて高精度ストレススクリーニングモデルの開発を行っています。
  • 九州大学病院検査部は、国内でもトップクラスの質量分析装置を多数保有する検査施設であり、これまでにバイオマーカーの探索や次世代の検査法の開発に数多く取り組んできました。心の病に苦しむ人たちの健康維持に貢献できるよう、より客観的な指標の探索とその検査法を確立することを目指します。

取組の内容および今後の展開について

  • 島津製作所は九州大学とのPOCを経て、検査サービスパッケージを確立、従業員検診や人間ドック向けの検査実施基盤を構築し、組織マネジメントコンサルテーションと組み合わせた高付加価値検査サービス展開を目指します。
  • HMTは、九州大学が開発したバイオマーカーと自社のうつ病バイオマーカーをはじめとする複数のバイオマーカーを組み合わせたマルチマーカーを用いてPOCを行い、休職期間中の抑うつ状態のモニタリングから復職の判断補助となる評価指標を開発し、リワークプログラムを中心とした復職支援に寄与する高付加価値検査サービスの展開を目指します。
  • 3者の連携により、高ストレスリスクの軽減およびうつ病などを含めた高ストレス者のスムーズな職場復帰支援などを行える働きやすい社会環境を構築、働く人のQOL(Quality of Life)の向上に寄与します。

お問い合わせ

大学院医学研究院 精神病態医学分野 准教授 加藤 隆弘
(九州大学病院気分障害ひきこもり外来/ひきこもり研究ラボ@九州大学)  
電話:092-642-4521
Mail:kato.takahiro.015★m.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。