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五島市と九州大学大学院理学研究院との連携協定を締結

ジオパークを軸とした地質・地形、生態系、文化の研究を推進 2023.06.01
お知らせ

2023年4月29日、長崎県五島市において、九州大学大学院理学研究院(以下「理学研究院」と称する)と五島市の連携協定を締結しました。

この協定は、五島列島ジオパークを軸とした、地質・地形、生態系や文化の研究推進を軸に、地域活性化および自然に潜んでいる課題解決を協力して行うものです。特に、ジオパークの発展に必要な研究・調査のサポート、地域資源の保全、研究やジオパーク活動に関する情報発信、共同で実施する事業の企画調整などに力を入れ、相互に連携して協力していくこととなりました。

五島市では、2022年1月に日本ジオパークに認定され、大地を生かした人々の生活の向上、環境保全、歴史教育の充実に取り組んでおり、理学研究院でも研究者・学生が長期にわたり調査を行っています。2023年4月末にリニューアルした鐙瀬ビジターセンター(ジオパークの拠点施設)を軸に、互いの協力により新しい自然科学研究を進歩させ、五島市と学生を主とした若い人材の交流を目指します。

研究者からひとこと

大学院理学研究院 地球惑星科学部門   清川昌一 准教授

五島列島は、約2000万年前の中国大陸の東端にあった火山弧と、湖や巨大河川の地層が日本海拡大に連動して変形していった地質帯であることが、近年明らかになりました(Kiyokawa et al., 2022)。 

東シナ海に囲まれる断崖絶壁には、そのような地層記録が克明に残っており、日本国内でも第一級の地質状況が見えるジオパークを形成しています。

鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター

リニューアルされ、研究成果などが最新の映像やポスターで展示されている。

理学研究院卒業生の安永雅さん(五島市ジオパーク専門員)らが中心となって展示整備を担当し、美しくわかりやすい“ジオ”を中心とした展示施設となっている。

五島市では、鐙瀬ビジターセンターを利用し研究を進歩させ、人材交流を目指す。

玉之浦、島山島の断崖絶壁

グランドキャニオンを彷彿させる巨大露頭が海岸線に連続する。

(参考図)
Shoichi Kiyokawa, Masaru Yasunaga, Ayako Yamamoto, Daisaku Kaneko, Yuta Ikebata, Noriko Hasebe, Yukiyasu Tsutsumi, Mami Takehara, Kenji Horie. 2022. Stratigraphic reconstruction of the lower–middle Miocene Goto Group, Nagasaki Prefecture, Japan. Island arc, 1−39, 2022. https://doi.org/10.1111/iar.12456

お問い合わせ

大学院理学研究院 准教授 清川 昌一
電話:092-802-4254
FAX:092-802-4208
Mail:kiyokawa★geo.kyushu-u.ac.jp
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