Notices お知らせ
令和6年3月29日、工学研究院 小江 誠司 教授は、2023年度「貴金属に関わる研究助成金」で、Gold Awardを受賞しました。
田中貴金属財団から授与の様子。小江 誠司 教授(左)
貴金属に関わる研究助成金について
「貴金属に関わる研究助成金」を実施している田中貴金属記念財団は、「貴金属が切り拓く新たな世界」への挑戦を支援するために、この助成金制度を実施しています。1999年から毎年実施されており、第25回目となる今回は、合計210件の応募があり、そのうち19件の研究に対して研究助成金が授与されています。
受賞につながった研究概要
小江教授は「貴金属水素エネルギー電子キャリアの開発」に関する研究で受賞。次世代エネルギーの一つである水素の生成やエネルギーキャリアへの変換とその利用において、革新的な技術の創出が求められています。常温で水素をヒドリドイオンとしてだけではなく電子としても活性化する酵素[NiFe]ヒドロゲナーゼにインスパイアードされて、水素化合物以外の水素エネルギーキャリアの候補を探求してきました。本研究の目的は、貴金属(Ir, Rh, Pd, Ru)錯体を用いて、温和な条件で水素から電子を抽出し、必要な時に電子の直接利用を可能にする水素由来の電子担体の創成と電子還元反応への展開です。
研究内容における貴金属の役割
本研究において、貴金属は水素の電子の授受の中心的な役割を担っています。すなわち、水素の活性化、水素からの電子抽出および水素の電子の利用のすべての過程に、貴金属が関わっています。特に、温和な条件での水素の活性化と水素からの電子抽出は、貴金属を利用しなければ実施することが困難です。したがって、水素由来の電子担体の創成には貴金属は欠かすことができません。
貴金属に関する開発内容
貴金属を中心金属とした金属錯体を合成し、その金属錯体と水素との反応および基質への電子移動反応を調べます。反応過程では、水素からの電子を貯蔵した状態とその電子を放出した状態で、貴金属の酸化数の変化を追跡することで、反応の進行を確認します。貴金属中心の反応性(電子状態)をコントロールするために、金属錯体の有機配位子の電子供与性および電子求引性をコントロールします。
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