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Research Results 研究成果

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網膜形成を担う網膜前駆細胞の分化・再生機能を長く維持するための因子を特定 クロマチンの構造変化を制御する酵素が、遺伝子発現を安定化していた

~網膜再生研究への応用に~
医学研究院
中島 欽一 教授
2026.01.30
研究成果Life & Health

概要

奈良先端科学技術大学院大学(学長:塩﨑一裕)先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域の松田泰斗准教授、松田花菜江特任研究員、九州大学(総長:石橋達朗)大学院医学系学府の博士後期課程学生(当時)石龍悠氏、同大学院医学研究院の園田康平教授、村上祐介准教授、中島欽一教授らの研究チームは、網膜の発生期に、神経細胞や視細胞などの細胞に分化する網膜前駆細胞(RPC、注1)の働きを持続させることで、網膜形成に重要な役割を果たす酵素Setd8(注2)を初めて明らかにしました。網膜前駆細胞の働きは、遺伝子DNAの塩基配列の変化ではなく、DNAが巻き付いたタンパク質の複合体(クロマチン)の構造変化により維持するとされており、Setd8は、このエピジェネティック(後天的)な変化を起こすタンパク質の化学修飾を制御しています。このため、病気などで失われた網膜を再生する研究にもつながると期待されます。

 私たちの目の網膜は、発生期には「網膜前駆細胞」と呼ばれる幹細胞様の細胞から作られます。興味深いことに、ゼブラフィッシュなどの魚類では、成体になっても網膜が損傷を受けると、支持細胞であるミュラーグリアが再び前駆細胞様の状態へと変化し、網膜が損傷しても再生できることが知られています。一方、マウスを含む哺乳類では、発生が進むにつれて網膜前駆細胞は失われ、損傷後もこのような再プログラムはほとんど起こらないため、網膜の再生能力は極めて限られます。もし「前駆細胞らしさ(前駆細胞性)」を維持する分子メカニズムを解明できれば、成体の網膜細胞に再び前駆細胞性を付与し、失われた網膜機能を回復させることができるようになる可能性があります。この前駆細胞らしさの維持には 遺伝子発現と、それを厳密に制御するクロマチンの開閉状態(注3)の設計(エピゲノム、注4) が重要と考えられてきましたが、具体的な維持因子は特定されていませんでした。

本研究では、マウス発生過程の網膜前駆細胞を単離し、遺伝子発現とクロマチン構造を同時に解析(マルチオミクス解析)しました。その結果、網膜前駆細胞では発生後期まで特有のクロマチン状態と遺伝子発現が維持されており、その維持にヒストン修飾酵素 Setd8が重要であることを明らかにしました。さらにSetd8の機能が失われると、前駆細胞の増殖低下や細胞死が起こり、分化細胞数の減少と網膜層の菲薄(ひはく)化が生じることがわかりました。

これらの結果から、Setd8は、網膜前駆細胞が「前駆細胞であり続ける」ためのクロマチン構造を維持し、正常な網膜発生を支える重要因子であることが示されました。本研究は、網膜発生の分子基盤の理解を深めるとともに、将来的な網膜再生研究への応用が期待されます。本研究成果は、国際学術誌「Stem Cell Reports」に2026年1月29日(金)午前11時(米国東部時間)に公開されました。

用語解説

注1 網膜前駆細胞 (RPC):
発生期の網膜に存在する未分化な細胞で、将来、視細胞や神経細胞、ミュラーグリア細胞など、すべての網膜細胞のもとになる細胞。分裂を繰り返しながら、決まった順序でさまざまな網膜細胞へと分化する。

注2 Setd8:
ヒストンH4の20番目のリジンに一重メチル化(H4K20me1)を施す酵素。この修飾は細胞の増殖やゲノムの安定性に関与しており、網膜前駆細胞の性質維持に重要な役割を果たしている。

注3 クロマチンの開閉状態:
DNAがどれだけ「読み取られやすい状態」にあるかを示す指標。クロマチンが開いた状態では遺伝子が働きやすく、閉じた状態では遺伝子の働きが抑えられる。

注4 エピゲノム:
DNAそのものの配列を変えることなく、遺伝子の発現を制御する仕組みの総称。ヒストン修飾やDNAメチル化などが含まれ、細胞の状態や機能を決定づける。

注5 RNA-seq(遺伝子発現解析):
細胞の中でどの遺伝子がどれくらい働いているか(RNAの量)を網羅的に読み取る技術。細胞の状態や機能の変化を高感度に測定できる。

論文情報

タイトル:Histone methyltransferase Setd8 preserves chromatin accessibility to safeguard retinal progenitor cell identity during development
著者:Haruka Sekiryu, Sakurako Shimokawa, Kanae Matsuda-Ito, Hisanobu Oda, Yusuke Murakami, Koh-Hei Sonoda, Kinichi Nakashima, Taito Matsuda
掲載誌:Stem Cell Reports
DOI:10.1016/j.stemcr.2025.102789

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