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Research Results 研究成果

AIが「理想の主翼」を自律設計、計算コスト1/10で大型旅客機主翼の最適形状を導出

―水素・アンモニア燃料機など脱炭素機の開発加速に期待―
工学研究院
下山 幸治 教授
2026.02.20
研究成果Math & DataPhysics & ChemistryMaterialsTechnologyEnvironment & Sustainability

ポイント

  • 多目的ベイズ最適化(注1)により、膨大な計算が必要な主翼設計を、従来比10分の1の計算回数で実現しました。
  • 空気の力による翼のたわみと材料の破壊を同時に考慮し、AIが自動で補強・軽量化を行うことで、空気抵抗と重量を最小化した理想の形状群を導き出しました。
  • 部材ごとの材料特性や製造時の炭素繊維のズレの影響を解明。水素・アンモニア燃料機など、新しい形態の次世代航空機開発において大幅なスピードアップに繋がります。

概要

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)(注2)を用いた次世代航空機の設計において、燃費向上のための「翼の細長化(高アスペクト比(注3)化)」と「軽量化」の両立は最大の課題です。東北大学流体科学研究所の Liu Yajun 特任研究員、阿部圭晃准教授、および九州大学大学院工学研究院の下山幸治教授らの研究チームは、強力なAI手法である「多目的ベイズ最適化」を導入し、膨大な計算(数千回)が必要な設計解析を従来の10分の1まで短縮することに成功しました。

本研究の最大の特徴は、空気力による翼のたわみを計算しながら、材料が壊れないギリギリの厚みを自動調整する手法を開発した点です。AIが「強度が足りない部分は補強し、無駄な部分は削ぎ落とす」工程を自律的に繰り返すことで、空気抵抗と重量を最小化した理想の主翼を自動で導き出せます。

この自動設計により、主翼の下面パネルは最新材料で劇的に軽くなる一方、後ろ桁の重さは材料よりも翼の長さに左右されるという設計上の重要な特性を解明し、製造時の繊維のズレが性能に与える影響も初めて定量化しました。このAI技術は、設計期間を大幅に短縮するだけでなく、水素やアンモニア燃料を用いる脱炭素機、高高度無人機など、これまでにない新しい形態の航空機開発を加速させる鍵となります。

今回の研究成果は、2026年2月6日に複合材料に関する専門誌Composite Structuresに掲載されました。

用語解説

注1. 多目的ベイズ最適化(MBO:Multi-objective Bayesian Optimization):限られたデータから、「正解」となる可能性の高いものを予測するAI手法の一種です。「燃費を良くしたい(空気抵抗の低減)」と「機体を軽くしたい(重量削減)」のように、片方を立てればもう片方が立たないトレードオフの関係にある複数の目的を、同時にバランスよく解決するために用いられます。

注2. 炭素繊維強化プラスチック(CFRP):炭素繊維(カーボンファイバー)を樹脂で固めた複合材料です。「軽くて強い」のが最大の特徴で、近年の大型旅客機では、機体重量の約50%にこの材料が使われており、燃費性能を支える主役となっています。

注3. アスペクト比:翼の「細長比」のことです。翼の幅(スパン長)を翼の付け根から先端までの平均的な長さで割った値です。高アスペクト比の翼は、空気抵抗を減らして燃費を向上させるのに有利ですが、その分たわみやすく、強度の確保が難しくなるという課題があります。

論文情報

タイトル:Multi-objective Bayesian optimization of composite aircraft wings using various carbon fibers
著者: Yajun Liu, Yoshiaki Abe*, Ryosuke Kano, Yuki Yatsu, Katsumi Nakamura, Koji Shimoyama, Tomonaga Okabe, Shigeru Obayashi
*責任著者:東北大学流体科学研究所 准教授 阿部圭晃
掲載誌:Composite Structures
DOI:10.1016/j.compstruct.2026.120105