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Research Results 研究成果
ポイント
概要
大豆や豆腐、豆乳、きな粉などの大豆食品には、健康機能が注目されているイソフラボンが含まれています。中でも、ダイジン(DZ)とゲニスチン(GEN)は主要なイソフラボン配糖体(※2)です。これらの成分は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(※3)などによって測定できますが、より簡便に検出できる方法が求められていました。
九州大学大学院薬学府博士課程3年のThi Huynh Anh Huynh大学院生、大学院薬学研究院の森元聡名誉教授、坂元政一准教授らの研究グループは、山口東京理科大学薬学部の田中宏幸教授と共同で分割型緑色蛍光タンパク質(split-GFP)を利用した均一系オープンサンドイッチイムノアッセイ(※4)を世界で初めて開発しました。さらに、この新しい測定原理を用いることで、主要な大豆イソフラボン配糖体であるDZとGENを簡便に測定できることを実証しました。
研究グループは、GENにも反応する抗DZモノクローナル抗体の重鎖可変領域(※5)(VH)と軽鎖可変領域(VL)に、2つに分割した緑色蛍光タンパク質(GFP)をそれぞれ融合しました。DZまたはGENが存在するとVHとVLが相互作用し、それに伴って分割されたGFPが再構成され、蛍光を発する仕組みです。これにより、従来のイムノアッセイで必要となる固定化や洗浄などの煩雑な操作を必要とせず、約2時間で測定できる、信頼性および正確性の高いアッセイを構築しました。
本手法により、DZとGENを中心とする主要な大豆イソフラボン配糖体を蛍光シグナルによって簡便に評価することが可能となります。大豆や大豆食品の成分を迅速かつ簡便に評価する新たな分析法として、品質管理などへの活用が期待されます。
本研究成果は、英国の国際学術誌「Food Chemistry」に2026年8月27日(木)にオンライン掲載されました。
本研究の概要
用語解説
(※1) 分割型緑色蛍光タンパク質(split-GFP)
緑色の蛍光を発する緑色蛍光タンパク質(GFP)をGFP1-10とGFP11の2つの断片に分割したもので、各々は蛍光を発しないがGFPが再構成されることで緑色の蛍光を発する。
(※2) イソフラボン配糖体
イソフラボンに糖が結合した化合物。ダイジン(DZ)とゲニスチン(GEN)は、大豆に含まれる代表的なイソフラボン配糖体である。
(※3) 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
液体試料中の複数の成分を分離し、それぞれの成分を測定する分析法である。
(※4) 均一系オープンサンドイッチイムノアッセイ
抗体の一部である重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)を使って標的を検出する方法。VHとVLが標的を挟むように結合することから、「オープンサンドイッチ」と呼ばれる。標的が結合するとVHとVLの結びつきが変化し、その変化を緑色蛍光などの信号として検出する。また「均一系」とは、途中で洗浄や分離をせず、混ぜた状態のまま測定できる方式を意味する。
(※5) 可変領域
抗体の中で標的を認識する部分。本研究の測定法では、抗体の重鎖可変領域(VH)と軽鎖可変領域(VL)をそれぞれ利用している。
論文情報
掲載誌:Food Chemistry
タイトル:Split-GFP-based homogeneous open sandwich immunoassay for rapid and simple detection of daidzin and genistin in soybeans
著者名:Thi Huynh Anh Huynh, Munetaka Shiratsuchi, Poomraphie Nuntawong, Hiroyuki Tanaka, Satoshi Morimoto, Seiichi Sakamoto
DOI:10.1016/j.foodchem.2026.150899
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