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研究成果

公開日:2018.07.06

励起子生成効率100%以上を実現するOLEDの原理実証に成功
〜高強度近赤外OLEDの実現に道〜

研究成果 工学

 九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターの中野谷一准教授、永田亮工学府博士課程学生、安達千波矢センター長らの研究グループは、励起子生成効率100%以上を示す有機EL素子(OLED:Organic Light Emitting Diode)の開発に成功しました。
本研究のポイント:
●OLEDにおいて、一重項励起子開裂を経て生成された三重項励起子を、エレクトロルミネッセンス(EL)として利用可能であることを初めて実証しました。本手法により、100%が理論限界とされてきた励起子生成効率をさらに高めることが可能となります。
●本研究での実証により、近赤外有機EL素子からの高強度エレクトロルミネッセンスが実現でき、センサー用や通信用光源等における新しいアプリケーション用途を開拓できると期待されます。
 本研究成果は、科学技術振興機構(JST) ERATO「安達分子エキシトン工学プロジェクト」の一環で得られました。本研究成果は、2018 年7月5日(木)19時(日本時間)に、ドイツの科学雑誌『Advanced Materials』誌のオンライン速報版で公開されました。

図1:一重項励起子開裂を発生する分子をホスト材料に用いた新発光メカニズムの図。(1)一つの一重項励起子から一重項励起子開裂により二つの三重項励起子が生成する。(2)ルブレン分子からエルビウム錯体へ三重項励起エネルギーが移動する。(3)エルビウム錯体の発光準位から近赤外発光が生じる。

参考図面1:一重項励起子開裂を示す分子をホスト材料に用いた新発光メカニズム。①一つの一重項励起子から一重項励起子開裂により二つの三重項励起子が生成する。②ルブレン分子からエルビウム錯体へ三重項励起エネルギーが移動する。③エルビウム錯体の発光準位から近赤外発光が生じる。

参考図面2:本提案によるOLED特性とELスペクトル、およびEL強度の磁場依存性

研究者からひとこと

本研究成果は、OLEDにおいて、一重項励起子開裂現象の利用を初めて実証したものであり、近赤外OLEDにおける飛躍的な特性向上に貢献できると期待されます。今後、励起子生成効率200%を示す究極のOLEDを実現すべく、研究を引き続き進めていきます。

論文情報

Exploiting Singlet Fission in Organic Light‐Emitting Diodes ,Advanced Materials,
10.1002/adma.201801484

研究に関するお問い合わせ先

最先端有機光エレクトロニクス研究センター  安達 千波矢  センター長
最先端有機光エレクトロニクス研究センター 中野谷 一 准教授 

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