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都市の経済発展に伴うCO₂排出量を部門別に予測するための新手法の開発に成功 -都市のCO₂排出量の削減に向けた政策立案に貢献-

2018.07.19
研究成果Humanities & Social SciencesEnvironment & Sustainability

 九州大学の経済学研究院の藤井秀道准教授と加河茂美教授、カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所のアンドリュー・チャップマン助教、工学研究院の馬奈木俊介主幹教授、及び松山大学の岩田和之准教授の研究グループは、世界的な都市化が進む中で都市の経済発展がCO₂排出量の変化に与える影響について、環境経済学分野で発展してきた「環境クズネッツ曲線」の分析方法を応用した新たな手法を開発し、解析することに成功しました。
 同グループは、都市のCO₂排出量の特性が部門別に異なる点に着目し、エネルギー部門、交通部門、住宅・工業部門の3つに分析対象を分けることで、より詳細に経済発展とCO2排出量の関係性について検証を行いました。分析は26か国の276都市を対象に、2000年、2005年、2008年のデータを利用して行いました。その結果、交通部門と住宅・工業部門では経済発展が進むことでCO₂排出量が減少に転じる転換点が存在することが示唆されました。
本研究成果は、急速に都市化が進む中で、都市のCO₂排出量の削減を効果的に進めていく上で重要な情報である「経済発展とCO₂排出量の関係性」を明らかにするとともに、都市の気候変動対策に関する環境政策の立案を進めるうえで重要な将来予測にも役立つ情報として活用されることが期待されます。
 本研究は、日本学術振興会 科学研究費助成事業(JP26000001, JP17K12858, JP18H03433)の支援を受けました。本研究成果は、7月18日(水)付のApplied Energy誌に掲載されました。

図1.都市の経済発展に伴う部門別CO2排出量の予測値

図2. 本研究の分析フレームワーク

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