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研究成果

公開日:2019.03.14

歯周病が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の引き金に
~歯周病が重度な人はCOPDを発症するリスクが約4倍~

研究成果 医歯薬学

 九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の二宮利治教授が主任を務める久山町研究の一環として、同大学歯学研究院口腔予防医学分野の竹内研時助教(現同大学共同研究員、名古屋大学大学院医学系研究科准教授)と山下喜久教授らの研究グループは、同大学医学研究院呼吸器内科学分野の松元幸一郎准教授らとの共同研究により、歯周病とCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)発症との関係を明らかにしました。
 COPDは、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、WHOの報告では2016年に世界の死因の第3位となり、重要な社会問題となっています。COPD発症の要因は喫煙を主とする有害物質の長期吸入であることは知られていましたが、非喫煙者の発症要因はこれまで謎でした。
 今回、研究グループは近年全身の健康を脅かす病気として知られる歯周病に着目し、福岡県久山町の60歳以上成人900名の追跡調査データを分析し、COPD発症との関連を検討しました。その結果、喫煙などの影響を加味した上でも、歯茎が健康な人や歯周病が軽度の人に比べ、歯周病が重度な人はCOPDを5年以内に発症する割合が3.5倍も高く、COPD患者の約4人に1人は中等度以上の歯周病が原因である可能性が示されました。このことは、歯周病の予防のために普段から自宅や歯科医院で口内環境を健康に保つことはもちろん、歯周病になっても適切な歯周病治療を受けて重症化を未然に防ぐことで、COPD発症のリスクが下がる可能性を示しています。

 本研究は、日本学術振興会科学研究費JP16H05557、JP16H05850、JP17K17375、および国立研究開発法人日本医療研究開発機構の支援を受け、その成果は2019年3月8日(金)付け国際科学誌「Journal of Dental Research」に掲載されました。

(参考図)
 a) 歯周病の重症度別でみたCOPD発症リスク
 b) 歯周病はCOPD患者の約4人に1人の原因である可能性

研究者からひとこと

歯周病は、歯磨きなどのセルフケアや歯石除去などの歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせることで予防・管理することができます。COPDにならないために、禁煙だけでなく、口の健康もしっかりと守っていくことが今後重要になると考えられます。

論文情報

Periodontitis Is Associated with Chronic Obstructive Pulmonary Disease ,Journal of Dental Research,
10.1177/0022034519833630

研究に関するお問い合わせ先

歯学研究院 竹内 研時 共同研究員
歯学研究院 山下 喜久 教授
医学研究院 松元 幸一郎 准教授

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