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研究成果

公開日:2019.04.09

ペプチドが血液脳関門を透過し、脳組織に蓄積することを初めて実証
~ペプチド摂取による脳機能改善作用に期待~

研究成果 農学

 九州大学大学院農学研究院/五感応用デバイス研究開発センターの松井利郎教授の研究グループは、福岡大学薬学部道具伸也准教授やブルカージャパン(株)等との共同研究により、ペプチドが血液脳関門を透過し、脳組織に蓄積することを、マウスを用いた灌流試験によって世界で初めて明らかにしました。これまで、グルコースやアミノ酸などの栄養成分は血液脳関門を透過するものの、その他の食品成分や異物は厳格にブロックされ、血液脳関門は通過しないとされてきました。それに対して、本研究グループはアミノ酸が2つ結合したジペプチドが血液脳関門を通ることを実証し、さらにマウス脳の海馬、視床下部や小脳周辺に蓄積することを明らかにしました。これらの脳器官は記憶や行動に関わっていることから、ペプチド摂取による脳機能改善作用が大いに期待される成果といえます。なお、本研究は日本学術振興会科学研究費(17K19912)の支援を受けました。
 本成果は、2019年4月8日(月)18時(日本時間)に英科学誌「Scientific Reports」誌にオンライン掲載されました。 

(参考図)Gly-Pro(アミノ酸のグリシンとプロリンがつながったジペプチド)やTyr-Pro(アミノ酸のチロシンとプロリンがつながったジペプチド)が血液脳関門を通って脳実質内に到達する。さらに、血液脳関門を通ったジペプチドが海馬、視床下部や小脳といった脳器官周辺に蓄積する。

研究者からひとこと

健康によいとされる食品成分は数多く報告されていますが、ペプチドを対象とした食機能研究については、九州大学は世界をリードしております。多様な配列からなるペプチドのポテンシャルは高く、脳移行するペプチドを明らかにした本研究成果はその一端です。ペプチドと健康性維持の関係を世界レベルで追究できればと考えます。

論文情報

Brain-transportable dipeptides across the blood-brain barrier in mice ,Scientific Reports,
10.1038/s41598-019-42099-9

研究に関するお問い合わせ先

松井 利郎 農学研究院 教授
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