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サブナノ空隙を用いた新しい液体分離の考え方を提唱
―ポリオレフィン結晶内空隙を用いて鎖長の異なるアルカンを分離―

公開日:2019.12.06

 

研究成果 理学

 慶應義塾大学理工学部の千葉文野専任講師、九州大学大学院理学研究院の秋山良准教授、大島章生 大学院生(研究当時:2019年3月修士課程修了)は、結晶性ポリオレフィン膜を用いた液体分離法を発見し、その原理を提唱しました。一般に、液体分離とは、複数の種類の分子が混合した液体から、特定の分子を抽出することを指します。これまでの多孔質膜を用いた液体分離では、孔よりも小さい分子だけを透過させるストラテジーが用いられてきましたが、本研究では、混合液体中の多孔質には大きな分子が選択的に入る強い傾向があることを明らかにしました。これは、朝倉大沢理論という統計力学理論で説明することができます。実際に、isotactic poly(4-methyl-1-pentene)というポリオレフィンの結晶性フィルムを、直鎖アルカンの二元混合液に浸すと、長い方の直鎖アルカンが選択的に結晶中の空隙に吸蔵されました。これは、分子体積による自発的な液体分離であると考えられます。これまでの体積による分離法としては、高分子を重合度、つまり実効的な体積により分離するゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography, GPC)という手法が良く知られていました。本研究は、低分子をその体積によって分離するための新しい観点を提供するものです。
本研究成果は、米国の科学誌『Langmuir』オンライン版として2019年12月3日(火)(米国時間)に公開されました。

図1.高分子isotactic poly(4-methyl-1-pentene)(P4MP1)

図2.P4MP1フィルムによる長鎖アルカンの
選択的吸蔵

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