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立体的に込み入った部位へのシアノ化反応を開発
―非天然アミノ酸ユニットを持つペプチド医薬への応用に期待

公開日:2020.01.16

 

研究成果 Physics & Chemistry

 山口大学大学院創成科学研究科応用化学分野の西形孝司准教授らと九州大学先導物質化学研究所の國信洋一郎教授らは、銅触媒存在下、炭素-臭素結合を持つカルボン酸誘導体基質に対して安定なシアン化亜鉛を用いた銅触媒シアノ化反応を発見しました。
 シアノ基はアミノ基などの機能性官能基への変換が容易なため、有用物質合成、特にアミノ酸合成に不可欠な官能基です。これまでにイオン反応を用いる求核的シアノ化反応が開発されてきましたが、立体的に込み入った部位へのシアノ化は困難であるという欠点がありました。
 本研究で開発されたシアノ化反応は、安定で比較的毒性の低いシアン化亜鉛を用いることが可能である点、そしてカルボン酸誘導体中のアミド結合に銅が配位することで立体的に込み入った反応部位でシアノ化が進行する点が画期的な特徴として挙げられます。また、ペプチド鎖を持つ基質に対してもシアノ化が進行することから、本反応を応用することで非天然アミノ酸ユニットを持つペプチドを合成可能であることも示しました。ペプチド医薬などへの応用が期待されます。
 この研究成果は『Journal of the American Chemical Society』(IF=14.695)にJanuary 15th at 8:00 a.m. estにweb公開されました。

図1:開発したシアノ化反応(Cu:銅触媒、Zn(CN)2:シアン化亜鉛、Br:臭素、CN:シアノ基)

図2:シアノ化分子の変換(Gly:グリシン、Ala:アラニン)

論文情報

Copper-Catalyzed Tertiary Alkylative Cyanation for the Synthesis of Cyanated Peptide Building Blocks ,Journal of the American Chemical Society,
https://doi.org/10.1021/jacs.9b11349

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