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平成29年7月九州北部豪雨の発生メカニズムの全容を解明

 
記録的豪雨をもたらした線状降水帯の再現に初めて成功

公開日:2020.05.20

 

研究成果 理学

 平成29年(2017年)7月5日正午頃から夜にかけて,福岡県朝倉地方で最大6時間積算雨量が600mmを超える記録的な豪雨が発生し,同時多発的な斜面崩壊や土石流・泥流による甚大な災害が引き起こされました。6時間積算雨量が400mmを超える領域が東西20km,南北5km程度の極端に狭い範囲に集中している点が本豪雨の特徴ですが,これは同日正午頃に朝倉地方に発生した線状降水帯が,その後10時間以上も同じ場所に持続したことによるものです。本豪雨を引き起こした線状降水帯が10時間以上も停滞・持続する要因は,これまで明らかにされていませんでした。
 九州大学大学院理学研究院の川野哲也助教と川村隆一教授は,高解像度数値シミュレーションによって,朝倉地方に記録的豪雨をもたらした線状降水帯の再現に初めて成功し,その発生・持続メカニズムの全容を解明しました(図1)。九州に豪雨をもたらしたこれまでの線状降水帯とはその発生環境場の点で大きく異なっており,日本海上で停滞した総観スケール高気圧のブロッキング効果が重要であること,また背振山系などの周囲の山岳よりもむしろ地表面加熱によるメソスケール前線の形成・強化が重要であることなどを明らかにしました。
 本研究はJSPS科研費補助金(JP16H01846,JP18K03744)の助成を受けました。
 本研究成果は,2020年5月12日(火)に国際学術誌「Journal of the Meteorological Society of Japan」に掲載されました。

図1: 平成29年7月九州北部豪雨発生メカニズムの模式図。
矢印は下層の空気の流れを示す。

研究者からひとこと

10時間に及ぶ極端降水の持続もたらした線状降水帯を再現することに初めて成功しました。再現のみならずメカニズムの全容も解明したことで,今後の線状降水帯の予測研究の格段の発展が期待されます。

研究に関するお問い合わせ先

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