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九州大学発の分子連結素子「DACN」に新製品

 
〜医薬品や機能性材料の開発研究、製造での利用を期待〜

公開日:2020.08.19

 

研究成果 Life & Health Physics & Chemistry

 先に九州大学先導物質化学研究所の友岡克彦教授、井川和宣助教、河崎悠也特任助教らの研究グループは、分子を簡単に連結させる「クリック反応素子」として有用な含窒素9員環アルキン(DACN)の開発に成功しています。
 今回、同研究グループはDACNにNHSエステルやマレイミドなどの分子連結部位を導入した誘導体や、疎水性を抑えた誘導体など、新たに6種類のDACNを開発し、それらが関東化学株式会社から発売されることになりました。これらのDACNは、医薬品や機能性材料の開発研究、製造への利用が期待されます。

◆研究者からひとこと◆
新たに開発した6種類のDACNはタンパク質やペプチドなどの生体分子に簡単に導入することができます。新型ウイルス関連研究への応用も期待できます。

図1:DACNとアジドとの無触媒クリック反応

■背 景
 友岡研究室で開発された4,8-diazacyclononyne (DACN)はアジド(※1)と特異的に、かつ、迅速に反応して結合形成することから、ただ混ぜるだけで2つの分子を連結することのできる「無触媒クリック反応素子」(※2)として有用であり、基本的な3種類のDACNが関東化学株式会社から販売されています(図1)(2014年12月4日付けプレスリリース、および2016年3月8日付けプレスリリース参照)。
 今回、分子連結部位として有用なNHSエステルとマレイミドが組み込まれたDACNや、疎水性を抑えたDACNなど、新たに6種類のDACNが同社から発売されました(図2)。これらのDACNには生体分子(タンパク質・ペプチド、糖鎖、核酸など)、医薬品の標識化や複合化、また、機能性材料の合成など、幅広い分野での応用が期待されます。なお、その製品化には九州大学が出願中の特許技術(特開2020-026476)が使用されています。

(※1)アジド(azide):アジ基(−N3)を有する分子。
(※2)クリック反応(click reaction):シートベルトのバックルをカチッととめる様に、二つの分子間で迅速に結合を作ることのできる化学反応。多様な分子を簡便に合成する手法として、様々な研究分野で利用されている。

詳細につきましては下記のURLをご参照ください。
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/40361/20_08_19_01.pdf

 

研究に関するお問い合わせ先

先導物質化学研究所 教授 友岡克彦、助教 井川和宣
TEL:092-583-7806  FAX:092-583-7810 
Mail:ktomooka@cm.kyushu-u.ac.jp