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研究成果

公開日:2016.10.21

視覚情報処理を行うための最小の機能単位構造が大脳に存在することを解明

研究成果 医歯薬学

 九州大学大学院医学研究院・東京大学大学院医学系研究科の大木研一教授、東京大学大学院医学系研究科の根東覚助教の研究グループは、視覚情報処理を行うための機能的単位構造がマウスの大脳に存在するかどうかを調べました。大脳は、複雑でかつ大量の情報を逐次処理していますが、これらの情報を素早く正確に行うためにヒトや高等哺乳類には、マクロコラムと呼ばれる単位構造が存在しています。マウスもヒトと同じように物を見ていると考えられますが、マウスの視覚に関係する大脳には同様なマクロコラムがないことが分かっていました。今回の研究では、高速かつ3次元に2光子カルシウムイメージングが可能な顕微鏡を開発し、生きたマウスの脳から視覚応答を計測しました。その結果、マウスの脳には方位選択性と呼ばれる視覚情報に対して、高等哺乳類に見られるコラムよりも小さな「ミニコラム」が存在することを発見しました。「ミニコラム」は最小の機能単位構造と考えられ、哺乳類に共通な視覚情報処理のメカニズムの解明につながることが期待されます。
 本研究結果は2016年10月21日(金)午前10時(英国時間)に「Nature Communications」にオンライン発表されました。

高速3次元2光子励起顕微鏡。視覚刺激を与えたときの神経細胞の活動を、カルシウム指示薬を用いて3次元的に記録した。

(a,b)方位選択性について3次元高速カルシウムイメージングを細胞体(a)と樹状突起(b)に対して行い、方位選択性の3次元カラーマップを作成。(c)細胞体の3次元カラーマップを横から2次元で見ると、方位選択性が縦1列に揃っている場合と揃っていない場合が見られた。(d)ミニコラムには、方位選択性が揃っているものと、揃っていないものがあった。詳細な解析の結果、全体の約3割のミニコラムで方位選択性が揃っていることが分かった。

研究者からひとこと

本研究グループでは、視覚の研究を主に遺伝子操作技術が進んでいるマウスをモデルとして、最新のイメージング技術を使って行っています。その結果、基本的な視覚情報処理のメカニズムはヒトなどと共通していることが分かってきています。

研究に関するお問い合わせ先

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