研究成果
公開日:2016.03.15
癌細胞の浸潤や転移に関わる細胞運動の仕組みを解明
研究成果 理学 医歯薬学
九州大学大学院理学研究院の池ノ内順一准教授らの研究グループは、癌細胞の浸潤や転移に関わるブレブ(Bleb)と呼ばれる細胞膜の突起構造の形成に関わる分子メカニズムを明らかにすることに成功しました。
悪性度の高い癌細胞は浸潤や転移を起こします。このような癌細胞の運動様式として、ブレブと呼ばれる細胞膜の突起構造の形成が重要であることが近年の研究で明らかになってきました。ブレブの形成メカニズムの解明は、癌細胞の浸潤や転移を抑制する新たな治療法の開発に繋がることが期待できます。
本研究成果は、2016年3月14日(月)午後3時(米国東部時間)に、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences USA」Early Editionでオンライン公開されました。

ブレブ(Bleb)
研究者からひとこと
癌細胞をコラーゲンの上に播くとブレブと呼ばれる特徴的な細胞膜構造を形成して運動することに気づき、この実験系を用いてブレブの形成に関わる分子機構を解明しました。実験の大半はシステム生命学府1年の青木佳南さんによるものです。データの解析ではシステム情報科学研究院の内田誠一先生と長迫智也さんにご協力いただきました。
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論文情報
A RhoA and Rnd3 cycle regulates actin reassembly during membrane blebbing ,Proceedings of the National Academy of Sciences USA,10.1073/pnas.1600968113