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Research Results 研究成果

光を一方向に進む表面波に変える人工ナノ構造の実証

~トポロジカル絶縁体の理論を応用したナノ光制御~ 2021.09.10
研究成果Physics & Chemistry

 私たちの日常生活に欠かせない情報技術は多くの電子デバイスに支えられています。しかし、電子制御のみに頼った技術で情報処理速度を今後飛躍的に向上させることは難しく、速度に優れた光学デバイスの導入が必要です。
 今回、九州大学先導物質化学研究所の斉藤光准教授、東京工業大学物質理工学院材料系の三宮工准教授、同大学理学院物理学系の森竹勇斗助教らの研究グループは、光の伝播を自在に操るために欠かせないダイオード[用語1]のような整流作用のあるナノ光学デバイスを実証しました。その動作原理は、2016年のノーベル物理学賞でも有名な「トポロジカル絶縁体[用語2]」とも関係が深く、電気伝導について物質内部は絶縁体であるにもかかわらずエッジ(表面や境界)だけ導体というトポロジカル絶縁体の不思議な性質を利用しています。この性質が光伝播においても発現するような人工ナノ構造を設計し、その光伝播を直接可視化したのが本研究成果です。
 トポロジカル絶縁体は原子が規則正しく並んだ結晶ですが、今回、原子の結晶を模した構造として、金属ナノ構造を規則正しく並べた人工結晶を作製し、光に対する「絶縁体」の機能が発現するようにしました。作製した人工結晶は非対称な形をしており、これがトポロジカルな性質が発現するための重要な構造的特徴となっています。この非対称な人工結晶とそれを反転させたもう一つの人工結晶を接続して境界(エッジ)を形成すると、その境界上でのみ光伝播が発現し、境界に沿って一方向に伝播する整流性を獲得します。この人工構造は金属で構成されており、光は金属表面の自由電子集団の粗密波(表面プラズモン[用語3])に変換され、ナノスケールに圧縮されて伝搬します。本研究グループは世界に先駆けてこのトポロジカルに保護された光伝搬をナノスケールで実現し、電子顕微鏡[用語4]によってその伝播を直接可視化することに成功しました。
 本研究成果は2021年7月27日にNano Letters誌(2020 Impact Factor11.189)に公開されました。

参考図

電子顕微鏡で可視化された 境界に沿って伝播する表面プラズモン

用語解説

[用語1]ダイオード:電流を一定方向にしか流さない作用(整流作用)をもつ電子部品。

[用語2]トポロジカル絶縁体:物質の内部は絶縁体でありながら、表面では電気を流す金属的な性質を示す。通常の絶縁体との区別をつける上で、物質中の電子の状態を記述する数学的理論にトポロジーが導入されたことが名前の由来となっている。

[用語3]表面プラズモン:物質中の電子が集団的に振動することで生じた電子密度の粗密波をプラズモンと呼ぶ。プラズモンが物質表面で生じるとき、表面近傍の電場と磁場の振動を伴った表面プラズモンとなる。表面プラズモンが光の振動数領域で生じるとき、光エネルギーが物質の極表面近傍のナノメートルサイズの空間に圧縮されるため、表面プラズモンを利用したナノスケールの光学デバイスの研究が進められている。

[用語4]電子顕微鏡:高エネルギーの電子線を試料に照射し、試料による電子線の散乱等を利用して物質や生体をイメージングする顕微鏡。今日では原子の並びを直接可視化できるほど高性能な電子顕微鏡が市販され、物質や生体の構造を原子レベルで解析することが可能になっている。

[用語5]カソードルミネセンス法:加速電子を試料に照射することで生じた試料からの発光(カソードルミネセンス)を計測する手法。カソードルミネセンス法は、古くはブラウン管ディスプレイ(CRT)などで用いられている。

謝辞

本研究は文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業さきがけ研究領域「光の極限制御・積極利用と新分野開拓(研究総括:植田憲一)」における研究課題「加速電子線を用いた光ホログラフィ」(研究者:三宮工(JPMJPR17P8))、日本学術振興会科学研究費助成事業研究課題「アキラル構造からなる光角運動量ソーターの多空間同時光計測による研究」(研究代表者:三宮工(JP21H01782))の支援を受けて行われました。

研究者からひとこと
トポロジカル絶縁体の理論を光伝播の制御に応用する研究分野「トポロジカルフォトニクス」が近年注目を集めています。表面プラズモンを利用するアイディアは他の研究グループからも提案されていましたが、その伝播をナノスケールで実証する実験が難しく、これまで理論上の話に留まっていました。この分野のほとんどの研究者が光学的計測手法を用いる中、本研究グループは電子顕微鏡の中で加速電子によって表面プラズモンを発生させ、ナノ構造によって光に変換されたものを検出するカソードルミネセンス法[用語5]という全く別のアプローチで挑んだことが本成果に繋がりました。

論文情報

タイトル:
著者名:
Hikaru Saito, Daichi Yoshimoto, Yuto Moritake, Taeko Matsukata, Naoki Yamamoto, Takumi Sannomiya
掲載誌:
Nano Letters 
DOI:
https://doi.org/10.1021/acs.nanolett.1c01841

研究に関するお問い合わせ先

先導物質化学研究所 斉藤 光 准教授