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全国8地域からなる大規模認知症コホート研究で境界型糖尿病とアルツハイマー病との関連を報告

公開日:2022.01.13

 

研究成果 Life & Health

 金沢大学医薬保健研究域医学系脳老化・神経病態学(脳神経内科学)の山田正仁名誉教授,医薬保健学総合研究科 認知症先制医学講座の篠原もえ子特任准教授,九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の二宮利治教授らの共同研究グループは,健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究:JPSC-AD研究(※1)のデータを用いて,ヘモグロビンA1c(HbA1c)(※2)5.7~6.4%の境界型糖尿病(※3)とアルツハイマー病の罹病が関連することを初めて明らかにしました。
 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標は低血糖のリスクを避けるためにHbA1c 7.0%程度とされていますが,本研究結果より認知症予防のためにはより十分な血糖コントロールが望ましい可能性が示唆されました。JPSC-AD研究では2016年から2018年にベースライン調査を実施し,全国8地域で11,410名の調査を行いました。2021年から2023年に同対象者について包括的認知症スクリーニング調査を実施し,新たな認知症の発症及び認知機能の変化を調査する予定です。今後,縦断研究を行うことで糖代謝異常がアルツハイマー病をきたす詳細なメカニズムを明らかにし,個々の認知症発症リスクに応じた予防・治療法の確立が期待されます。
 本研究成果は,2022年1月4日にJournal of Alzheimer’s disease誌オンライン版に掲載されました。

HbA1cレベル別のアルツハイマー病と血管性認知症罹患の調整オッズ比

用語解説

※1 健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究(JPSC-AD)
2016年度より開始された全国8地域から抽出する地域高齢者1万人からなる大規模認知症コホート研究です。(https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/)

※2 ヘモグロビンA1c(HbA1c)
ヘモグロビンは血液中の赤血球を構成するタンパク質です。ヘモグロビンがブドウ糖と結びついたものがHbA1cです。過去の約1~2か月の平均血糖を反映するといわれています。本研究では全米グリコヘモグロビン標準化プログラム(National Glycohemoglobin Standardization Program:NGSP)値でHbA1c値を表記しています。

※3 境界型糖尿病
血糖値が正常より高いが,糖尿病と診断するレベルではない状態のことです。

論文情報

タイトル: Diabetes mellitus, elevated hemoglobin A1c and glycated albumin are associated with the presence of all-cause dementia and Alzheimer’s disease: the JPSC-AD Study 
著者名: Moeko Noguchi-Shinohara, Sohshi Yuki-Nozaki, Chiemi Abe, Ayaka Mori, Mai Horimoto, Masami Yokogawa, Natsuko Ishida, Yukio Suga, Junko Ishizaki, Mai Ishimiya, Hiroyuki Nakamura, Kiyonobu Komai, Hiroyuki Nakamura, Mao Shibata, Tomoyuki Ohara, Jun Hata, Toshiharu Ninomiya, Masahito Yamada, on behalf of the Japan Prospective Studies Collaboration for Aging and Dementia (JPSC-AD) study group
掲載誌: Journal of Alzheimer’s disease
DOI: 10.3233/JAD-215153    

研究に関するお問い合わせ先

医学研究院 二宮 利治 教授

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