Research Results 研究成果
高血圧などの血行力学的負荷が心臓に加わり続けると、やがて心臓は硬化し、左心室の拡張機能障害を引き起こします。心臓が硬くなる原因として、心筋間質組織のコラーゲンの蓄積が知られていますが、力学的負荷によってコラーゲンが蓄積する機構は不明でした。今回、生理研の西田基宏教授(九州大学教授兼務)、北島直幸博士、冨田拓郎助教は、渡辺雅彦教授(北海道大学)、佐藤陽治部長(国立医薬品食品衛生研究所)、住本英樹教授(九州大学)、桑原宏一郎教授(信州大学)、森泰生教授(京都大学)、米国国立環境衛生科学研究所らの共同研究グループは、心筋細胞膜に存在し、筋肉が持続的に伸展される刺激によって開閉するTRPC3チャネルが、コラーゲン線維の発現を誘導することを発見。これが心臓組織の線維化を誘発し、結果、心臓を硬くすることを発見しました。
本研究結果は、Nature publishing Groupが発行するScientific Reports誌に掲載されました(平成28年12月19日午後7時オンライン版掲載)。