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DNA が傷ついたときに起こる新しい免疫応答の仕組みを解明

 
~これまで長く謎だったDNA 損傷後のHLA Class I の提示機構を 世界で初めて明らかに!【がん治療法の開発や改善に期待】~

公開日:2022.05.20

 

研究成果 Life & Health

ポイント

  • <どのような成果か>DNA 損傷が発生した際のHLA Class I 提示の分子メカニズムを解明
  • <背景と研究の歩み>DNA 損傷がHLA Class I の提示を引き起こすことは約20年前から知られていたが、その仕組みは全く分かっていなかった。研究グループが専門とする最新の分子生物学的解析法や次世代シーケンスを駆使したバイオインフォマティクス解析によりその仕組みがついに明らかになった。
  • <社会への還元として期待できる内容、今後の展望>がん治療法の開発や改善に期待。また慢性炎症・自己免疫疾患・アレルギー疾患の予防法や治療法の開発にも波及効果が期待される。

概要

 群馬大学未来先端研究機構、内分泌代謝・シグナル学研究部門の柴田淳史准教授(責任著者)と内原脩貴博士研究員(筆頭著者)を中心とした国際共同研究チームが、DNA が傷ついたときに起こる新しい免疫応答の仕組みを明らかにし、その研究成果がMolecular Cell 誌(Cell姉妹紙)に掲載されました。抗原提示を行うことで免疫を活性化する役割を持つHLA Class I1が、DNA 損傷に応答することは知られていましたが、どのような仕組みでHLA Class I が細胞表面に提示されるかは長く不明でした。今回の研究では、柴田淳史准教授の研究グループを中心に最新の分子生物学的技術を駆使することで、その仕組みを一つ一つ紐解き、長く未解明であったHLA Class I の提示機構の謎を世界に先駆けて明らかにしました。DNA 損傷は生体内の様々な場面で生じることから、今回の研究により、HLA Class I が関わる、がん・慢性炎症・自己免疫疾患・アレルギー疾患などの病気の予防法や治療法の開発につながることが期待されます。

用語解説

HLA Class I:全ての有核細胞の表面に発現し、自己抗原、細菌、ウィルスなどの抗原ペプチドをT 細胞に提示して免疫を活性化する働きがあります。

論文情報

本研究成果は、2022 年5 月19 日付の「Molecular Cell」の電子版に掲載されました。

タイトル:DNA Damage Promotes HLA Class I Presentation by Stimulating a Pioneer Round of Translation Associated Antigen Production

筆者:Yuki Uchihara, Tiara Bunga Mayang Permata, Hiro Sato, Reika Kawabata-Iwakawa, Sayako Katada, Wenchao Gu, Sangeeta Kakoti, Motohiro Yamauchi,Reona Kato, Soehartati Gondhowiardjo, Naoki Hosen, Takaaki Yasuhara, andAtsushi Shibata*
*責任著者

雑誌名:Molecular Cell

DOI:https://doi.org/10.1016/j.molcel.2022.04.030