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地域文化をアートの視点で捉えなおし、新たに創出!着実な広がりを見せる

~《八女茶山おどり》NPO法人山村塾と本学芸術工学研究院が協働制作~ 2022.06.20
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 九州大学大学院芸術工学研究院附属社会包摂デザイン・イニシアティブ ソーシャルアートラボ(SAL)は、2018年より、アートと農の関係性について考える「奥八女芸農プロジェクト」を認定NPO法人山村塾(福岡県八女市黒木町)と協働で実施しています。
 2019年には、滞在制作という形で招聘した演出家・民俗芸能アーカイバーの武田力さん(芸術工学部未来構想デザインコース非常勤講師)が中心となり、地域住民に昔の暮らしや農作業の思い出を聞き、八女茶山唄にあわせた《八女茶山おどり》を新たに創作しました。

奥八女芸農プロジェクト2019

 福岡県八女市には、古くから唄われていた民謡「八女茶山唄」と高度経済成長期につくられた「八女茶山踊り」がありましたが、現在は、歌い踊られる機会が少なくなっていました。そこで、2019年に創作した《八女茶山おどり》の振興を進め、現在では新たな地域文化として定着しつつあります。

 さらにこの度、日本各地の民謡を紹介するNHKのテレビ番組「民謡魂 ふるさとの唄」にて踊りが紹介されることになりました。(2022年6月19日(日)15:05放送)
番組では、踊りだけでなく現地の文化、そして未来の地域のあり方について学んだ、本学生たちも踊り手として登場します。

武田力さん(左)とのリハーサルの様子

出演者とスタッフの集合写真

研究者からひとこと

いま全国各地で、芸術家の視点から地域を捉え直し、新たな価値を引き出す取り組みが行われています。今回の取り組みが特徴的なのは、民謡や踊りといった民俗芸能に着目したことです。茶のくに八女が生み出す一期一会の「縁」を唄った「八女茶山唄」の精神を引き継いだ踊りが生まれたことで、地域の中にも新たな「縁」が紡がれつつあります。来年(2023年)は八女茶発祥600年の記念すべき年。もともとそこにあるものに光を当てるという姿勢を今後も大切にしながら、併走していきたいです。
                                                                            (芸術工学研究院准教授 長津結一郎)